Ice Ninja
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 道具・装備


革靴の扱い

スケート靴は、革靴である。
新品の時は固く、使っていると次第に柔らかくなる。
特に手入れをしなかったが、週一回の練習で3ヶ月くらい経った頃から、
柔らかくなったと感じた。
柔らかくするには、ミンクオイルをたっぷり塗って染み込ませると良いと聞いた。
2重張りのスケート靴の場合内側にまではオイルは到達しないだろうが、
試してみたところそこそこの効果はあった。(冬場は少し暖める必要あり)
最初は、革が固くて紐を絞める強さすら思う様に調整できなかった。
新品の靴は革が固い分だけ、ギブスの様に足首をガードして捻挫から守る効果が
大きいが、逆に言えば足首が自由に動かないことにもなる。
足首については、関節本来の自由度を保つ必要があると思う。
ただ注意しなければならないのは、靴が固いうちはブレードの傾きは
足と一直線になるように固定されるが、靴が柔らかいと意識的に角度を
調整しなければならなくなることだ。
例えば、足の角度は氷に対してかなり傾いているのに、足首が曲がり
ブレードはフラットエッジに近い角度で滑っているということがある。
意識しないと、ブレードは成り行きで最も安定した位置に落ち着く。
調整する習慣がないと、意図しない角度になっているのに気付かないことがある。
靴が柔らかくなってこそ足首が鍛えられ、本当のスケーティングが出来る。
柔らかくなった靴でも足首を守る効果は、十分にある。

血染めの靴下

新品のスケート靴を履いた時、嬉しくて5時間くらいスケートリンクで滑っていた。
丁度バックができるようになって間もない頃で、バック滑走でやや踵を
浮かせる感じで滑るため、かなりの靴擦れが踵に起きて痛くなっていた。
終わってから靴を脱ぐと、靴下の踵部分が血に染まっていて驚いた。
踵に大きな水膨れが出来てそれが破れて血が滲んでいたのだ。
鉄棒をやって手にできる豆と似ている。
靴下が毛細管現象で吸い取るので真っ赤になっていてビックリするが、
実際は見た目程大袈裟な傷ではない。
スポーツには、リスクがつきものだ。例えば体操競技の鉄棒の選手は、
手に豆が出来てそれが破れてもテープを巻いて練習する様だが。
ともかく、原因は、
1. 靴が大き目で、革が固いため紐の絞め方で靴擦れが起きない様に
  調整できなかったこと。
2. 一度に長時間滑ったこと。
3. 特に踵に荷重がかかる下手なバック滑走を長時間やっていたこと。
だろうと考えている。
しかし、これくらいのリスクはあってもスケーティングは楽しい。
2週間休んだら傷が癒え、踵の角質が厚くなって出血するようなことは
なかったが、それでもその後、踵は多かれ少なかれ毎回損傷した。
新品のスケート靴で貸し靴の時より酷く靴擦れが起きたのはショックだった。
多分、少しずつ慣らすべきなのだろう。

踵を傷める力

私の場合バック滑走とジャンプの着氷で大きな力が踵にかかる。
靴の革が柔らかくなった今では、紐の絞め方で靴擦れは起きなくなっているが、
踵の肉が押しつぶされる様な力は依然としてあり、踵を痛め付ける。
こういう力のかかりかただと、あまり角層は厚くならず、毎回終わったら
損傷して腫れた様になる。
自分の足に合った靴を履き、圧力を分散させれば軽減するだろうが、
2万円程度の靴ではこんなものだろう。
だが、この靴は、軽くてフィット感もありとても気に入っているのだ。
そこで、靴の大きさにも若干の余裕もあることだし、特殊プラスチックの
緩衝材シートを試してみることにした。ソルボセインとかαゲルといったものだ。
厚さ3mmのシートを踵を被う様なT字形に切って、薄い布2枚に挟んで縫い
パッドを作った。それを直接足に当てて靴下を履きスケート靴を履く。
そのパッドは踵後方だけでなく、踵底面の衝撃も吸収してくれるので快適だ。



これにより、踵のダメージはほぼ完全になくなった。
非常に快適だ。

靴ヒモの幅と安定性

靴紐を細いものから、幅が広いものに替えた時、紐が違うだけで
安定性が随分と変わった。包帯で捲いた様な安定感が得られた。
靴紐は、滑っていると次第に弛んでくるので、最初はそこそこの強さで絞めて
ウォーミングアップを行い、その後で締め直す様にしている。
紐は、ナイロン製のものが伸びにくくていいと思う。

フィギュア靴のブレードの研磨

刃物を研ぐことには心得があるので、練習3回に1回程度自分で研いでいる。
が、誰にも研ぎ方を習った訳ではない。
円柱状の油砥石(オイルストーン)と研磨用オイルを使う。
油砥石に研磨用オイルを染み込ませて表面が潤おうくらいにして研ぐ。
フィギュアスケート靴の場合溝があるので、浮かせない様にしっかりと
押し付けて研げば、そう難しくはないと感じる。
・・・とはいえ、慣れない人には難しいことかもしれない。
押し付け方が不安定だと毎回角度が変わって、刃物でいうところの
丸刃となり良くない。
刃全体を一気にシューッと研ぐ方が研ぎムラがつきにくいかもしれないが、
私は2〜3cmくらいを往復させながら少しづつ移動し刃全体を研いでいる。
砥石は、部分的な磨耗を起さない様に適度に回転させるべきだろう。
ブレードが鈍っているだけなら、円柱状の砥石で研ぐだけでも大体いいが、
刃こぼれを起しているようならば、両サイドを平砥石(これもオイルストーン)で
研ぐ必要がある。ただし、サイドは平らに整える程度でいい。
ブレードを研ぐ最も重要な目的は、深いエッジに乗っても、スリップしない
様にすることだ。これは安全面でも重要なことだ。
ただし、氷の温度が低く固いと研いだでもエッジの傾きが適切でないとスリップする。
横滑りする様になったら研ぐべきだと言われるが、私はその前に研いでいる。
やはり研いだブレードは滑りが違う。
特に氷が荒れた状態でも、摩擦が小さく、軽快に滑れる。

丸砥石の直径と特性

ブレードを研ぐ場合、直径が何ミリの砥石で研ぐべきかという問題がある。
最初のブレードは、元々18mmくらいの砥石で仕上げてあった。
これはこれで快適だったが、一般には13mmくらいが多く使われているらしい。
かなり長い間13mmで滑走していたが、特に問題もなく新品の時と大差なかった。
ブレードを5千円程度のものから2万円程度の競技用のものに変えたとき、
ここまで滑走特性が異なるものかと戸惑った。
滑走方向により抵抗が少なくなったことにより、自分のスケーティングは今まで
ブレードの摩擦を幾分利用していたらしく、慣れるまではうまく滑れなくなった。
またブレードの向きなどが、適切でない場合に、正しい角度に吸い込まれる働きも
比較的大きくて、若干ではあるが上達に貢献するのではないかと思った。
新品のブレードに丸砥石を当てると13mm程度が丁度良いように感じるが
エッジの感じでは、下図の様にU字形なっていたように思う。



自分で研ぎたいので、13mmで研ぎ直したのだが、ブレードの特性が
前のブレードと同じくらいに鈍ってしまった。
そこで、9mmに研ぎ直したらそこそこ新品と同様の特性が得られた。
1999年夏頃のコロネーションACEの出荷時の直径は、3/8インチ(約9.5mm)
だったが、2003年春くらいに新しいのを買ったら5/8インチ(約16mm)に
変更になっていた。
5千円くらいのブレードは、比較的柔らかい鉄で出来ているので、
22mmくらいで研ぐとマクレ(返り)が出てそれを取らないと一見エッジが
立った様に見えて氷に食い込まない。爪が削れたからいいかと思ったが、
きちんとサイドを研いでマクレを取らないと駄目らしい。
コロネーションACEくらいの鋼鉄になると、22mmでもサイドを研がなくても
マクレは出なかったと思う。
余談だが、エッジを研ぐ丸砥石の直径でホッケーストップしたときにどれくらい
削った氷が跳ぶか、コロネーションACEで比較してみた。
最近22mmで研いでみて、削った氷をホッケーの連中くらいに高く飛ばすことが
可能となった。



競技用のフィギュア靴

2001年4月、最初の靴がだいぶくたびれて、ジャンプの着氷のときにグラグラ
するようになってきたので、新しい靴を買う事にした。
足型を取った方がトラブルがないが、自分の足型は標準に近い様なので、
レディー・メイドの靴で済ませる事にした。
値段は、靴だけで4万5千円。
ブレードは、既に競技用にも使えるクラスのものにしているが、今度は靴も
競技用のものになる。
スケート靴の寿命はどれくらいかとか、どういうふうになったら駄目なのか
というのも初心者の頃は疑問だったが、毎週1回滑って3年くらいか。
本革のスケート靴は、最初は硬くてこなれるまでに時間がかかるし、
こなれ過ぎると型くずれして使えなくなるという感じだ。
丁度いいコンディションの時は、1年半〜2年くらいだと思う。
今までの靴は軽くてとても気に入っていたが新しいものは少し重い。
片足、ブレード付き
旧 1.060kg (PLAYER + SLM blade)
新 1.280kg (T-37 + CORONATION ACE)
といったところだ。
両足で500g程の重量アップ。
だが、思った程ではなかった。
フィギュア靴のヒールの部分は、プラスチック製でなければ木製だろうと
思っていたら、何と革を何枚も重ねたものだった。
今までの靴は、貸し靴のフィギュア靴とほとんど同じ形状だったが、本格的な
フィギュア靴は、今までのより踵が1cm以上高いハイヒール。
お陰で、足の裏で踏ん張るために使う筋肉が全然違って足が痛くなる。
また、今まで自分で調整して足指の根元に重心をかける動作が、ほとんど
靴によって強制的されてしまうが、これによってスピンなどに必要な
つま先(正確には足指ね根元)立ちが自ずと身につくというもの。
以前、ブレードだけを競技用にしたが、この靴につけるとブレードの特性が
全く別物に感じられる。乗り位置が前に持って行かれて今までの感覚でやると
ターンの軸が前に移動してしまった。
この靴になって、つま先程きつく絞めるという事も納得した。
踵については、流石に踵パッドも不要になった。
踵が靴縁に直接触れないようにサイドからスポンジを埋め込んだ内張りのパッドで
やさしく支えられている感じ。



しかし、足指の根元は何もクッションがなくて衝撃がここに集中するので辛い。
でも、ここにクッションを入れると感覚が鈍り微妙な制御も出来なくなるだろう。
安定性は良好。
ジャンプの着氷が安定しただけでなく、今までの靴では決して安定しなかった
スパイラルの様な姿勢をとっても不思議なくらい安定している。

ブレードの取り付け位置

ブレードの取り付けは、靴を買った専門店に任せて、仮止めしてもらった。
最初の取り付け位置は、右側は申し分なく、左側は何が悪いのかわからないが良くなかった。
普通は、ブレードが寄っていると反対側に傾き反対側にカーブするということらしいが、
何分安い靴で足首を鍛えてきただけに、直進で進もうとした時は、どういう状況でも
ブレードをフラットエッジに保つように無意識に制御してしまう。
よって、少々取り付け位置が悪くても直進出来てしまう。
しかし、明らかにフラットエッジに乗るのが辛いと感じる。本来は通常の姿勢で
楽に乗れるものだ。
両足立ちしたとき、左足を普通より左(外側)に置くとバランスが取れる感じ。
フラットエッジからインサイド、アウトサイドの使い分けをするため荷重を
それぞれの側に移すと、インサイドに乗れないことが分かった。
よって、ブレードをアウトサイド側に取り付け位置を移動したところ良くなった。
ブレードが左右に片寄った時は、だいたい以下のような感じになる。


エッジ半径

フィギュアのブレードの滑走域は、ほぼ下図のような単一円の弧で出来ているらしい。


ただし、ブレードによって違うと思うが、ヒールから後ろには直線域があり、
トウへ向かう部分はもっと急カーブになっている。当然その境界は段差がない様に出来ている。



コロネーションACEをはじめ、多くのフィギュアブレードは、この半径が7フィート。
一部、上級者用ブレードには8フィートのものがあるのだが、どれくらい違うものか?
ちなみに、半径が大きいということは、曲率が低く、カーブが緩やかになる。
当然、カーブが急な程曲がり易く、氷にエッジが食い込み易くなる筈。
7フィートと8フィートではどれくらい違うものだろうか?
実測し易いので曲率の差を下図のhで比べてみよう。



【関係式】
1フィート=30.48 cm
半径7フィート=213.36 cm
半径8フィート=243.84 cm
円周=直径×円周率
  =半径×2×円周率
弧の長さ=円周×角度(度)/360
角度(度)=弧の長さ×360/円周
     =弧の長さ×360/(半径×2×円周率)

弧の長さ25cmで計算すると

【7フィート】
角度2θ=25cm×360/(213.36cm×2×3.14159)=6.71度
h=(1-cos(6.71/2度))*213.36 cm
h=3.66 mm

【8フィート】
角度2θ=25cm×360/(243.84cm×2×3.14159)=5.87度
h=(1-cos(5.87/2度))*243.84 cm
h=3.20 mm

hの差=0.46 mm

結果、7フィートと8フィートでは、弧の長さ25cmで比較して
0.5mm程度しか差がないので、測定しても誤差に埋もれてしまう可能性がある。
外観はその程度の差しかない。
私は、7フィートのコロネーションACEを使っているが、たまたま8フィートの
ISE社のSTORMというブレードを借りることがあり試してみたが、
ターン滑走で若干の違いを感じた以外は、アクセルを跳んでも差はほとんど感じられなかった。
その程度の差であるということだが、恐らく高速滑走中のカーブ制動では差が
出てくるのではないかと思う。
フィギュア・ブレード(エッジ)の選び方については、
THE COMPLETE BOOK OF Figure Skating (Caeole Shulman 著)
にも出ている。
この本では、主要なエッジについて、エッジ半径などのカタログ・スペックが一覧表で
示されている。エッジタイプについては断面形状で図示されているので分かりやすい。
ただし、この断面は特徴が誇張されており、実際に目で見るとそうなっている気がする
という程度の差しかない。
エッジ端が太くなる形状は、深いサイドエッジに乗って筋力でエッジを弧の内側に引き込んで
重心をトレスに近付けるといった場合に影響がありそうだが、単純にエッジに乗ったり、
ジャンプの際に底面を氷に強く押し付ける場合には差が出ない様に思う。

高価な買い物になるので、出来る限り詳細な情報を集めて判断したいとは思うが、
実際にそのエッジで滑ってみないとなんとも言えないというのが現実だと思う。

新しい靴

下図の様に古い靴の踵が破れてしまったので、新しい靴(某社製T−80)を注文した。



背面の革が破れてめくれて、それが引っ掛かって、血染めの靴下になったのが下図。



靴下に毛細管現象で血が吸われるので軽い擦り傷でも見てビックリ。(でも傷は大したことない)
現在は、めくれた部分をカッターで切り落として使っている。
新しい靴の外観は、高級な感じに仕上がっている。ホックも隠しホックだったし、
このホックならスラックスのスソを引っ掛けてしまうこともない。
また、以前の靴だとヒモを締めた時のアーチのフィット感は、円筒形を無理矢理
紐でしめつけたような感じだったが、足形を取っただけあって包み込まれるような感じ。
前の靴より1万円高いだけあって高級感もある。
良いフィギュア靴は、足指の根元(フィギュアの乗り位置)にクッションは入っていない。
フィギュアスケートのジャンプでは、着氷は、トウで受けてから踵で降りるのでフィギュアの
乗り位置の緩衝材は不要だと思う。このせいで靴底から伝わる力を感じにくくなったり、
制御の伝達がクッションに吸収されて遅れてしまうようでは困る。
選手靴はハイヒールになっていて、つま先側の靴底面に指の付け根の下側前側を押し付ける
ような感じになる。普通に床を歩く時に比べて足指を上に跳ね上げた感じ。
土地踏まずとの角度が26度くらいで丁度その折れた位置がくぼみとして感じられる。
そこに犬や猫なら肉球と言われるような部分をはめ込んでフィットする感じになる。
ここの角度が浅いと、乗り位置がうまく定まらないと思う。
下図は、今の段階で私がほぼ理想的と考えるフィギュア靴の靴底。つま先は3度くらい上に
傾斜している方がいいと思う。
個人的には更に靴底を肉球に合わせて若干彫ってあると更にいいと思う。



今回、私は店の人のアドバイスを参考にしつも、思った通りになっていなかった部分があったので
勝手に改造して使っている。
オーダーメイドの靴を頼むのは、仕上がった靴が自分が思ったものと違うということもある。
既製品とこういうところは変わらないだろうとおもっていたら違っていたとか、そういう
リスクが若干あるのだが、販売店との信頼感系が大切。
今回、靴といっしょにエッジも交換したが、やはり左側のブレードは、最初の
靴が傷んできた頃深いエッジに乗り過ぎてエッジを曲げてしまったらしく、
新しいものにしたら直線的な滑りに変わったので交換して良かったと思う。
取り付け位置は、左だけ以前の靴よりインサイドに寄っているが、右側と
感触を比較するとほぼ同じなので新しい靴の位置が正しいと判断した。
前のエッジは、靴底との直角も狂っていたようで、そのために以前の靴で取り付け位置が
販売店の定めた場所では安定しなかったようだ。この傾きはちょっと見ただけでは分からない。
新しいエッジは、同じコロネーションACEだが、トウ・ピックの形状が変わっている。
違いは、上1本が若干大きくなり上側2本くらいが上に広がった感じ



以前よりトウ・ループでの浮き上がりが大きくなった気がするが、形状のせいかどうかは不明。
エッジの溝は、以前は9mmくらいだったが、今回は、どうも13mmらしい。
縦に粗いグラインダーで引っ掻いた様な筋があるので店で研いだのだろうか、
それともマイナーチェンジに伴い変更したのか。
13mmは、最初の靴のエッジで感触を知っているので全く違和感なく滑れる。
最近セミスピード靴を履いて思うことは、9mmだとイン・アウトのエッジを
明確に使い分けない手抜き滑走をするので、初心者のうちは13mmくらいで
基礎を固めないと駄目かなあ・・・と思っている。
ただ、ターンなどをクリーンに行う厳格さからいうと9mm方がシビア。

エッジの歪み

靴を新しくして、エッジの違いを体感したので実際に計測してみた。
左が曲ったブレード、右が新品のブレード。



左足の踵側のエッジが、インサイド側に押し込まれる様に曲っている。
左足は、私のジャンプの着氷足であり、ジャンプに失敗していきなり深いエッジで
降りてしまうようなことも何度もあるのでそのせいだろう。
フィギュアのブレードは、根元を溶接してあるため定規を当てづらいが、
後側の支柱の少し前に当てられる部分があったのでそこに金尺を当ててみた。
すると前のブレードは、2mmくらい曲っていることが分かった。
新品のブレードは、エッジにぴったりと合い垂直が出ている。
2年くらい前に一つ前の靴を買った時店の人に見てもらったが、問題ないと言っていた。
販売店の人も専門家と言いながらもやっぱり信じられるのは最後は自分か、
というのが、こういう専門用具を買う時に思うことである。
自分が専門店を開くなら、直角を見る測定具くらいは店においておかないとまずいかな
などと思ったりするくらいに、見た目には分からないものだ。
まあ、こういうケースは少ないのかもしれないが。
スケートなどマイナースポーツの場合は、下手なものを売っても客が文句を言わないで
泣き寝入ることが多く、客も店も不具合の原因が掴めないままということも多い。
特に専門家と名乗る場合は、権威もあるので客の言うことを素直に聞かないことも
よくある。医者が医療ミスを起こしているような今日、やはり消費者は
きちんと自分の目で品定めしなければならないのかもしれない。
一般の客は、何も気にせず専門知識も勉強せずただ快適に滑れれば良いということだが
マニア的な人はそうも行かないだろう。微妙な違いにも気付いてしまうから。
まあ、このエッジの問題については、専門家である店の判断と私の判断が食い違って、
結局、私が言う位置に取り付けてもらったので何も不満はないのだが、
店の人は、靴の縫い目にこだわって取り付け位置をそこにしてくれと言っただろう、
くらいにしか考えていないかもしれないし、確かにそういう客も居るだろう。
そういうすれ違いが簡単に起きてしまうのも確かなのだ。
さて、このエッジの曲がりは直進性にも影響していることが、滑走感の違いで分かったのだが
そちらも見てみよう。上側が曲った左足のエッジ、下側は、右足のエッジ。
どちらも下側から金尺を当てて、後方から光を照らしているので曲っていれば隙間が見える。
隙間は、曲っている方が0.3〜0.5mm程度だろうか。
これだけの差でも結構滑走感で分かってしまうものだ。



靴底と止めネジ

全革製のフィギュア靴の場合、2年も経つとネジが抜け易くなってくる。
プラスチック製だとそんなことはなかったのだけど、恐らく革でないと、熱や
水分を吸うことによる伸縮で歪みが出来てしまうので靴底も革にこだわるの
だろうけれど、ネジが抜け易くなるのは頂けない。
リンクで滑るのが週に1回だと、靴がほぼ完全に乾燥するため、乾燥して縮むと
穴が大きくなりネジが緩み、滑っていると水を吸ってネジが噛む様になるという事の
繰り返し。次第にグラグラになる。もちろん太めのネジに変えたり穴に細木を挿して
締めると一応は復活するがそれでも限界がある。
今回、靴を新しくしたいと思ったのは、その補修の煩わしさにうんざりしてきた
というのもある。出来るなら、ネジ穴周辺だけでもプラスチックにならないか。

あるスケート店で

丸砥石を買って帰ったら、何か使い古しのような感じ。
縦に線が入っているというか、不規則に削れていた。
その後の店主と私の会話

 私:すみません、買って帰った砥石ですが、使い古しではありませんか?
店主:そんなはずないよ、うちがそんなもの売る訳ないよ。
 私:でも、使ったような筋が入ってますよ。
店主:それは、メーカーが悪いんだ。最近、そういう不良品が入って来てね。
   うちも困っているんだよ。今度、メーカーには強く言っておくから。
 私:本当ですか?
店主:これは、オイルストーンだろう?
   オイルに浸して使ったら黒く汚れて取れないじゃないか。

全く、商人の知恵にはかないません。
返品には応じてくれましたけど。
私の見解では、製造上の不良ではないと思います。
オイルストーンは、油に浸さず、水をつけて水砥石として使う事も出来ます。
この場合、水で洗えば、砥石はほとんど汚れないのです。


注)時間もないので多少の誤字脱字等は御容赦下さい。
  Web記事全般ですが、Web記事は、鵜呑みにしないで裏を取って確認して活用して下さい。
  こういう見方、パラメータがあったのか、というような発見をきっかけに勉強しましょう。

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