Ice Ninja
忍者
 情報論


ここでは、技の学び方、記録、伝達の仕方について論じる。

技の記録

 技を記録したり他人に伝達したいという意欲は、その技を自ら習得して
 しまうと失ってしまうものである。
 従って、そういったノウハウを伝えようと思ったら、技の考案、発展段階における
 試行錯誤の記録を残すことが重要になる。
 ここで最も問題となるのは、教える側が理論的理解なしで感覚的に技を行って成功し、
 実際に何をどうやっているか正確に把握していないことが多いということである。
 これらは、その発展段階に立ち戻り、意識的にそれを行って確認を取る必要がある。
 スケートの場合は、氷面に残ったトレースを追跡することで、その動作を
 確認できることが多い。
 氷面でのコースを示すトレース図と、使用エッジを併せて記すれば、技のアウトラインは
 ほぼ記述できるのでオーソドックスな方法と言える。
 私の経験では、方法を記録しようとした時、困ったことに、氷の上では理解していても、
 机に向かってその内容を書こうとすると勘違いしていたり、情報が不足していることがよくある。
 特に、ちょっとしたコツについては、微妙なので思い違いが多い。
 何か固有の技術を学ぶ際に、人によって習慣が違うので、Aに気をつければBも正されると
 いう人もあれば、AとBは完全に独立していてAを注意してもBが正されないという人もある。
 技は、そのフォーム(形[カタ])を記述すれば再現できる訳ではない。
 前提となる技術、練習方法なども記述されるべきである。
 特に、スケーティングでは心の動き、目を向ける方向など、動きに先行した
 要素がとても重要になってくる。

ビデオ映像から学ぶ

 最近では、ビデオが普及し、その映像がスケートの教習にとても役立つ。
 しかし、ビデオ映像に関しては、
 1. カメラアングルによって読み取れない部分が出てくる。
 2. カメラアングルによってジャンプの高さなどの印象が違って見える。
 3. Keyフレームやどこを見るべきかが分かりにくい。
 4. フォームを見ても、力学的原理や機能まで理解できず誤解しやすい。
 5. 高速スピンなどの記録には、画面のリフレッシュレートが足りない場合がある。
 などの問題もあるので、万能とは言えないが、それを行う時、腕をどのように
 構えればそれを行いやすいかといった補助的な要因を実例から学ぶのには
 都合がいいだろう。
 他人の演技は、見て解析して自分で行って検証する必要がある。
 観察することによって、今までの通説を覆す発見がないとも限らない。
 また、漠然と上手い人の演技を見ると、その精神的モチーフが理屈では分からなくても
 イメージのまま伝達されて、高度な技術を修得するきっかけとなったりする。
 動きの滑らかさと、タイミングはリアルタイムで確認したい。

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