Ice Ninja
忍者
 アクセル・ジャンプへの道 (PART4)

2011.4.24
40歳を超え、やや筋力の低下を感じるものの、思った程の低下ではない。
しかし、やや今の靴の重さは、限界かと思う。
ここ数年、重い靴とゴールドシールと戦っているのだが、この2つを
使いこなす事によって、より確かな技術が身に付いたと思う。

重い靴

これは、フリーレッグの扱いに関してシビアなものを強いられた。
前の靴では、靴が軽かったせいで、適当に勢い良く振り込めば、どうにかなっていた。
しかし、それでは説明出来ない無意識にやっている事がある筈で
これを説明するためには、どうしても重い靴でも出来る必要があった。
フリーレッグを強く振り込もうとすると、どうしてもその重みで出来ない。
フリーレッグを強く振り込みたかったら、股関節を十分に曲げておいて
背中を反らす感じにして、スケーティングレッグの股関節を中心に
肩とフリーレッグの点対称をある程度保持して振り込まなければならない。
概して、フリーレッグは、体の軸スレスレを巻き付けるように振り込むこと。
両足は、ピンセットの様に開いては駄目で、ハサミのように開く事。

ゴールドシール

このブレードは、45度くらいにエッジを深く保たないと、エッジに
乗ったという感触が得られない。パターン99を好む人は、恐らく
乗った感覚がコロネーションACEと同じだからではないか。
(ロッカー曲率は、ゴールドシールもパターン99も同じ)
とにかく、ゴールドシールの難しさは、その直進性だ。
何度か、ゴールドシールからコロネーションACEに戻したが、
ゴールドシール→コロネーションACEでは、違和感が全くない。
違いと言えばコロネーションACEでは、正しく乗るとややカーブし過ぎるくらい。
ところが、1日だけコロネーションACEにしても、
コロネーションACE→ゴールドシールでは、同じ感覚で行うと
直進滑走からカーブに入れないのだ。
当然、アクセルでは、スッパ抜けが起きる。
ループジャンプも同様の理由で、うまく出来なくなっていた。
ゴールドシールで、コロネーションACEと同様のカーブに入るには、
きちんと体重を乗せた上で、カーブする円周の外側に強く押しながら
エッジが緩まないように押して体を傾けるとうまくカーブできるようになった。

重心が踏切足に残ることの解消

現象としては、フリーリッグを前に振り込みすぎて、大振りになっていること。
フリーレッグの振り込みを普通にやると直線に振り込んでしまうので、
重心がアプローチカーブの外に出て回転が大回りになる。
この結果、振り上げた足が振り戻しを受けてドスンと落ちたり、回転不足で
踵から着氷する羽目になる。これはブーメラン状回転に入っているからだ。
物理法則によると回転軸は、必ず重心を通るので、踏切足の踏切ポイントに
重心を合わせて回転を始める必要がある。
このとき重要なのが、大振りしないため、振り込んだ足を軸に引き寄せて
アプローチカーブ円周の内側に押し込む事。私は、自然に振り出した時に比べて
内側を通すので、近道という意味でショートカットと呼んでいる。
何かフリーレッグの動作が「いや〜ん」という感じになる。
重要なのが、フリーレッグがスケーティングレッグを追い越す瞬間で、
腰がクリッと回転する事が大切。腰ごと振り込むのが良いのは、この作用。
今まで、重心が踏切足に残ってしまう時、強い踏切りが出来れば、
フリーレッグ側に重心移動が出来る事が分かっていた。
しかし、それは、漠然としたもので、何か特殊なエッジワークが存在する
と感じていた。

今回の発見

スケートを初めて1年くらいの頃のフォームをゴールドシールでやる
というテーマと、カートブラウニングのフォームの解析で気付いた事。
どうも、スケートの基本として、腰は、滑走方向を向ける必要がある
ということがあるらしく、これは常に守った方がいいが、
深いエッジに入るとき、腰の方向を滑走方向を向けるのは、
意識して押し込むようにしないと中途半端になってしまうようだ。
ジャンプに必要なスリーターンは、直立姿勢のスリーターンではなく
深いエッジからのスリーターンなのである。
ターンのような急カーブに入る時、必要なのは、まずエッジを深く傾ける事だ。
エッジを傾けるという事は、体全体を傾けるという事でもある。
しかし、深いエッジに入ろうとして体を傾けようとしても案外入れないものだ。
それは、適切な順方向捻りが不足するからだ。
仮に、傾ける所まで出来たとしても、捻りが不足するとそこからターンに入らない。
ターン時の捻りはかなり意識して捻らないとカーブ曲を巻き込めない。
このとき腰の向きが大切で、この向きをコントロールするのに
フリーレッグの位置制御や振り込みを利用しなければならないこと。
ターン時に適切な腰の捻りが出来れば、進行方向側の刃が、より円周の内側を
拾うようになり、その結果フリーレッグを振り抜く方向は、円周の内側に
方向に変える事が出来る。
つまり、深いエッジから腰を順方向に更に捻る。
重心を爪先側に置く必要があるかと思ったが、そうではなくて、
捻る事によって爪先側のエッジがより急カーブする方向の氷を拾うのだ。
例えば自転車で、カーブしたい時は、ハンドルを意識して切らないで、
体を傾けるとハンドルが適切な角度に回転するのだが、
アクセルジャンプは、この自然なカーブより急カーブなので
意図してハンドルを切らないと駄目という事だ。
この理屈を上手く表現しているのが、自転車の「ジャック・ナイフ・ターン」
Youtubeのこの人の演技がイメージ通り
ジャック・ナイフ・ターン
ハンドル操作によって、前が地面に押し付けられて、後輪が浮いているが
アクセルジャンプでも同様の制動がかかる。
これをうまく利用する事で楽に高くジャンプする事が可能なのだ。
回転も外側に発散せず、内側に収束するようになる。

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 しかし、このページで説明される原理、考え方などを利用、実践することは何ら問題ない。
 そのかわり、ここに書かれたことが正しいかどうかは保証しない。

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