Ice Ninja
忍者
 アクセル・ジャンプへの道 (PART3)

2005.3.20
全くの試行錯誤の連続。
part2で、自分の考え方や、イメージを書いたが、もっと重要な要因がある筈。
たまたまそれでうまく行っていただけなのだ。
自分がやっていることは、実験なのだ。それは二足歩行ロボットを作るのに似ている。
二足歩行ロボットの片足での重心の取り方も、スケートで片足滑走するのと
同じようなフォームになるものだ。
スケートもロボットも瞬間的には、どちらか片足で体重を支えていなければ安定しない。
歩き方は、みんな自己流で意識しないが、ロボットにやらせようとすると途端に分らない。
理論化されていないのだ。理論だけでなく加減、調整の問題も大きい。
私は、理論が欲しい。自分が出来るか出来ないかより重要なことなのだ。
さて、2004年は海外出張などで運動出来ず、随分筋力が落ちてしまった。
そうなってみると、重い靴も手伝って、鍛え直すが大変だ。
しかし、腿の背中側の太い筋肉が細くなったのは、ストレッチをするには良い。
「痛くない自然なストレッチ」というような題名の本を買ってみた。
スポーツ選手などは、相当痛い思いをしてストレッチをしているようだが、
自分には、筋肉を傷めないための専門知識もないので無理はしないことにする。
続けていると、疲れた時あくびが出たり、伸びをするような感じで筋肉を伸ばしたくなる。
ストレッチは、胃腸の運動も誘発してお通じにも効果があり、何かしら筋肉を使うので
そのための血流も増加して健康には良いと思う。また、確かな筋力は精神も支えることができる。
やはり持論の伸ばすための筋肉を鍛えなれければならないというのは正しい。
そのための補助をすると能率的に柔軟性が得られると思う。
ストレッチをやっていると筋肉はグルテンタンパク質とよく似ていると思う。
小麦粉(強力粉)をこねて伸ばすのとそう変わらない感じだ。
そうなると太いところ程重点的に伸ばさないと駄目で、細いところに偏ると
よくないのではないかと思う。
もちろん、筋肉の細いところは腱になっていて丈夫なのだが、肉離れは起きる。
座って前屈する場合、自分は臑を曲げて前屈して体を前に押しやった状態にしてから
臑を伸ばす方がいいと思っている。この方が伸ばし方が均等になると思う。
もちろん十分に柔らかい人は最初から臑を伸ばした方がいいと思う。
同じ前屈でも、足首をプリエのように開いて前屈すると、スプレッド・イーグルに
必要な柔軟性も同時に得られる。
伸ばして緩めての繰り返しで少しずつ深くして行く感じ。
伸ばした状態をある程度保つ方がいいのかもしれないが、ある程度の緊張を
保ったまま少し緩めた方が効果的に思える。
朝と夕方では柔軟性に違いがあり、睡眠時間が長過ぎると体が固くなる。
ストレッチ案外大切なのが、筋肉を暖めることではないかと思う。
朝からだが固い原因は、寝ている間に縮んだ状態で筋肉がつくからだと思うが、
筋肉が暖まっていないのも理由としてあるかもしれない。
前屈で、主に腿の後側の筋肉を伸ばして思うのは、これが案外スケートの
正しい姿勢を保つのに必要だということだ。
背筋を曲げずに前傾姿勢を深く保つと腿の背中側の筋肉と腰の背中側の
筋肉が強く引っ張られる感じがする。
正しいスケート姿勢を保つのに腹筋も必要だと思うが、最近滑走フォームが
納得行くものに近付いたのは、ストレッチの効果があると思っている。
忙しくてさぼることもあるが、一度到達したところまでは比較的簡単に戻せるようだ。
しかし、ストレッチは良いことばかりでなはなかった。
腿の筋肉を伸ばした結果、伸ばした分、筋肉も細くなり弱くなった。
また、同じ感覚でジャンプすると、力が入るタイミングも変わってしまったり・・・。
これまた鍛え直さなければならない。
柔軟運動と筋力トレーニングは、表裏一体だとつくづく思う。

最近の自分は、スケーティングやジャンプの練習に関して、
週一回という限られた中でも、最近はかなりサボっていると思う。
そんな中で、姿勢の保ち方などは、普段の通勤の歩きで練習している。
これが結構効果があると思う。
氷の上での経験があればこそだが、姿勢や足の運びなどは陸上で十分出来る。
前置きはいいとして、アクセルの話に移ろう。
ここ2ヶ月くらいは、アクセルで片足着氷が出来なくなっていた。
それも鍛え直して、そこそこ復活しつつある。
そんな中、ある重要なことに気付いた。
2004年は、RFOループの図形をずっと練習していた。
この練習でコツをつかんだのが直接のヒントになっている。
また、今まで足首(エッジ)の向きを小細工するより、腰の向きに素直に
合わせる方がいいだろうと漠然と思っていてそうしていたが、実際には
それでは氷を十分に押さえられないということも分かって来た。
今までの自分の知識をもう一度整理してみる。
アクセルは、スピードスケートの選手が最初に行なった。
実際にセミスピードでやってみても、最も正しそうに思えるフォームは、
スケーティング・レッグに肩を深く被せたアプローチをすることである。
また、最近気付いたこととして、エッジを左側(カーブの外側)に押す
力が足りないと感じている時は、実はフリー・レッグを振り込むタイミングが
かなり遅いのが原因であるらしい。その結果重心がアプローチ・カーブの外側に
振り込まれてエッジが緩むのだ。
更に振り込みタイミングが適切な場合でも、エッジのグリップが足りない時がある。
このときスケーティング・レッグをもっと左に押し込もうとしていたが、これも錯覚だった。
氷にエッジをつく位置を左に持って行くと、フォームが締って押せるような
気がしていたが、もっと右側(内側)にエッジを着いてそこから左に押し込まなければ
エッジは弛んでしまう。
ワイングラスの底のイメージも、押した結果その位置に来るのであって
最初からそのラインをイメージすると弛んでしまう。
最近では、こういう筋力を使った動的に形成される形(フォーム)が重要になってきいる。
この他、スリー・ターンでエッジのグリップ力を最高に高めるにはどうするかとか
色々と試しているが、ジャンプに関して言えば、自分がインサイド・アクセルで
イメージしたクサビ形の収束イメージが大切だと感じる。
ジャンプはジャンプによってスリー方向のジャンプとか、カウンター方向の
ジャンプとか自分には分らない方向があるらしいが、恐らくこのクサビ形で
収束する方向だと思う。そうなると足首を使った押えが必須なる。
アクセル・ジャンプは、スリー・ジャンプの延長であることは確かだから、
アクセル・ジャンプのモチーフがスリー・ターンにあるのは間違いないが、
私は、ループ図形にも何かあるとずっと思って来た。
ここに今までの疑問が3つある。
・ジャンプ前のチェックはなぜ必要なのか
・踏み切り以前に回転を始めてはいけない理由は
・なぜアクセルは一般的にバックから振り返ってアプローチに入るか
これらは、フィギュア・スケートを習っている選手は、正しく理解している
必要があると思う。この原理を学ばないで形で習っても、それは
たまたま出来ているに過ぎないと思う。だとすると、もしかすると
インストラクターの直しがなくなると途端に型くずれするだろうし、
他人に教えて伝承することも出来ないだろう。
昔からよく言われることに、
「他人に説明出来てこそ本当に身についていると言える」というのがある。
「出来る」だけでは不足という意味だ。
こういう基礎は、フィギュア・スケートの競技会を見る目を養うにも、
競技を観戦して楽しむためにも必要なことなのだ。
その判断力があれば、ジャッジの下した正しい判定にブーイングする
こともなく、採点で不正があっても観客にも見抜けるのだから。
(とはいっても、それはかなり難しい)
この3つの疑問は、結局1つの発見に結びついた。
ループ図形をやっていて、自己流で得た極で膝含めた体を伸ばし
傾けていた体を立てるという方法でやったのでは、十分な制御が
出来ないし、エッジがトレスの接線方向にならないので
思った位置に思った図形を描けない致命的な欠陥を持っていた。
しかし、ループ図形をやっていて、ターンのときにやる様な肩の振り戻しを
意識的に取り入れてみると、この辺りの制御が可能になって来たのだ。
まだ他にも条件があり、自分のループ図形は完全ではないが、
うまく行っている時の姿勢で同じ様にやれば、ループ玉の位置と
方向をかなり制御出来る様になった。
ループ図形を抜ける時に回転が残って巻き込んでしまい、そのまま
緩いカーブを継続して滑走出来ない問題は、早くから気付いていて、
振り戻しのチェックが必要であることは感じていた。
自己流の方法でも、それを最少限はやっていたので何とか図形が回れていたのだ。
通常自分のスリー・ターンなどでは、振り戻すというよりは、元の
エッジに乗った状態で肩を先行して振り込んで定位置に収まるくらい
(振り戻しが必要無い量の先行回転)でターンして、ターンしたエッジで
回転を受けるような感じでやっている。その方が無駄がなく滑らかなのだ。
スケートの本を読むと、これが結構強く振り戻すようなことが書いてある。
ループ図形にこれを取り入れてみると、それをやる前の自分のフォームは、
肩を順方向に回し切った状態で入る様にしていると自覚出来た。
そうではなく、直進に近い基本姿勢から、フリー・レッグと同時に肩も
順方向に振り込んで、タイミング良く素早く振り戻すのが良い様だ。
それは、今までループ図形の2挙動を「ター・アー」とやっていのを
「タ・タン」のタイミングに切り替えるような感じだ。
順方向に回し過ぎても、振り戻しが遅過ぎても駄目。
タイミングを本や文章で説明するのは難しい。
明確な振り戻しをループ図形で初体験した感じで、ちょっと新鮮だった。
これに気付いた時点で、すべてのジャンプで、空中動作の中に
このようなチェック動作があるのだということも実感し始めた。
これをアクセルに応用してみたところ、フリー・レッグの振り込みによる
エッジの緩みをほぼ完全に押さえることが出来、振り込みでエッジが
ツルンといって、後側に転倒しそうになるのもかなり防げる様になった。
この場合のチェック動作は、肩の捻りより、前傾の横振りが大きいと思う。
ここで3つの疑問に答えてみる
・ジャンプ前のチェックはなぜ必要なのか
・踏み切り以前に回転を始めてはいけない理由は
  2つは同じ理屈
  少なくともアクセルでは、エッジの弛みを防止している。
  フリー・レッグの振り込みによる順方向の回転を肩で打ち消すことで
  腰やエッジが不用意に回転してエッジのグリップ力を失うことを防ぐ。
・なぜアクセルは、バックから振り返ってアプローチに入るか
  肩を回転とは逆方向に振り戻す必要があるからである。
何年もやっていて、なぜこういうことに気付けないのかと思うが、
実際に競技会の選手の演技を見ても、アクセルは、スケーティング・レッグ側の
肩が常に先行したフォームになっている。
強く振り戻した結果、その状態を保持している場合があって、これは
筋力的には大きな動作だが、外から見て全く動いていないように見える。
この辺りを理解しないと駄目だろう。
アクセルでは、フリー・レッグの振り込みを原動力として回るが、
ジャンプ直前までエッジが安定する様に肩で強く回転を打ち消して
最大限のフリー・レッグの振り込みを行なう。
空中では、その腰の回転を幾分肩に分け与えて若干打ち消すことになるが、
それでも余る回転力で2回転3回転と回るという感じだろう。
アクセルは、回転方向に回るのに、なぜ両腕をほぼ同じ強さで振り出しているか
その辺りの疑問もやっと解決した。
まあ、理屈が分かっても出来る訳ではないし、それだけ分かっても
他の知識が必要だったりするのでなかなか難しい。
特に説明はしないが、最近自分がイメージした図を以下に示す。









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 しかし、このページで説明される原理、考え方などを利用、実践することは何ら問題ない。
 そのかわり、ここに書かれたことが正しいかどうかは保証しない。

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