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■バスケットボールのルール■
1.はじめに 10.スローイン
2.ルールのとらえ方 11.ジャンプボール
3.ゲームの進め方 12.フリースロー
4.チャージド・タイムアウト 13.テクニカル・ファウル
5.ドリブル 14.パーソナル・ファウル
6.アウト・オブ・バウンズ 15.具体的なパーソナルファウル
7.ボールをバックコートに返すこと 16.アンスポーツマンライク・ファウル
8.時間ルール 17.ファウルの処置
9.バイオレーション 18ダブル・ファウル
※参考文献「わかりやすいバスケットボールのルール」
監修:北原憲彦 発行者:深見悦司 発行所:成美堂出版
ISBN4-415-02065-8

1.はじめに
 バスケットボールをプレーするためには数多くのルールを知っておかなければなりませんが、初期の段階で細かいルールを覚えていくのは非常に大変なことです。ルールをマスターすることはあくまで最終的な目標であり、まずはバスケットボールの楽しさを味わうことが先決でしょう。
 そこでこのページでは、プレーを進めるうえで最低限知っておかなければならない代表的なルールをピックアップして、それをプレーする選手の側に立ってわかりやすく解説しています。また、バスケットボールのルールには世界で広く採用されているインターナショナル・ルールやNBA(アメリカのプロバスケットボール)だけで適用されている特別なものもあり、その違いについても折にふれて説明してあります。内容的には、中学校や高校でバスケットボールを始めた初・中級の選手や、NBAの観戦に興味を持つ人にとって、バスケットボール・ルールの分かり易い手引書になると思います。
 なお、詳細なルールに関してはぜひ日本バスケットボール協会発行の「バスケットボール競技規則」を参考にしてください。すべてのルールが網羅されています。本サイトでは審判やコーチだけに必要なルールなどを省略しました。そのかわり、選手にとって重要と思われるルールについては、わかりやすく解説するようにつとめました。
 このサイトを見る方々がバスケットボールの知識を深めるうえで、本サイトが少しでも参考になれば幸いです。
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2.ルールのとらえ方
【正しいプレーのためにルールが必要】
 どんなスポーツでも、お互いの力量を競い合ううえでは、それを公平に判断するルールが不可欠です。ルールを知らなければ、正しくゲームを進めることはできないでしょう。もちろん、バスケットボールも例外ではありません。
 しかし、ここで強調しておきたいのは、ルールがあってバスケットボールがあるのではなく、バスケットボールがあってルールがあるということです。最初には何よりもプレーそのものが優先されるべきです。その中で正しいプレーをするためにルールが必要になってくるのであり、初めにルールありきではありません。
 たとえば、トラベリングというバイオレーションがあります。3歩以上歩いてはいけないというのがトラベリングですが、プレーの前に「ボールを持ったら絶対3歩以上歩いてはいけない」と念を押されたら、初心者は緊張しすぎてプレーができなくなるかもしれません。ルールはあくまで最終的なことです。
【プレーの中でルールをとらえる】
 最初はバスケットボールを楽しむことが大前提であり、順番からいえば「その楽しさをつまらないペナルティで損なわないためにルールを守りましょう」と考えるのが筋でしょう。
 そして、ルールを単に頭の中で覚えないようにしましょう。ゲームの中でよく起こる状況を想定し、その中でどんなルールを守らなければならないのか。あるいは、どんな反則が起こりがちなのか。そんな風に順々に考えていったほうが、自然な形でルールを覚えることができます。
 そこで本サイトでは、数々のプレーを紹介しながらその中でいけない例としてルールを説明する手法も試みています。この機会にぜひ、ゲームの進行に必要なルールをマスターしてください。
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3.ゲームの進め方
【チーム編成】
 それぞれのチームは、プレーヤ5人、交代要員7人以内、コーチ1人から構成されていて、必要に応じてアシスタント・コーチを1人つけることができます。そして、プレーヤー5人のうち1人がキャプテンとなります。また、国内の試合では、主催者の方針によって交代要員が7人を超えても良いことになっています。
【ゲームの時間】
 ゲームは、各10分のピリオドを4回行い、合計40分で争われます。第1ピリオドと第2ピリオドの間、第3ピリオドと第4ピリオドの間に、それぞれ2分のインターバルをおきます。また、第2ピリオドと第3ピリオドの間に、10分または15分のハーフタイムをおきます。
 もし、規定の時間が終わっても両チームの得点がまったく同じ場合は、1回5分の延長タイムを必要な回数だけ行うことになります。
 このとき、両チームは後半と同じバスケットを攻撃します。また、各延長タイムの前に2分間のインターバルを設定することになっています。
 以上が試合時間のあらましですが、NBAの場合は1ピリオド12分で、通常の試合時間は合計で48分になります。NBAの試合で得点がよく入るのは、試合時間の長さも関係しています。
【ゲームの開始】
 センターサークルで対面している両チームのジャンパーの真ん中に主審がボールをトスアップし、ボールがタップされたところからゲームが始まります。(ティップオフ)各ピリオドや各延長時間も、このジャンプボールによってスタートします。
ビジターのチームは、前半に攻撃するバスケットを選ぶことができます。そして、後半は攻撃するバスケットをチェンジします。
 お互いに中立のコートでは、ゲーム前に協議して攻撃するバスケットを決めることになっていますが、日本では大会の規定で決められていることが多くなっています。
【得点の種類】
 ゴールの得点には3種類あります。スリーポイント・ラインの内側からのゴールは2点で、これが最も多くなります。ロングシュートとなるスリーポイント・エリアからのシュートは3点、そしてフリースローによるゴールは1点です。
 ある選手がスリーポイント・エリアからのシュートを打ったとします。それが直接入れば3点になります。しかし、ゴールとならないでリングやバックボードに当たってボールがこぼれ、味方がフォローしてゴールにした場合は3点ではなく2点になります。
 つまり、スリーポイント・エリアからダイレクトに入ったゴールだけが3点になるということです。あるいは、違う状況を想定してみましょう。
 スリーポイント・エリアからのシュートがこぼれ、そのボールを味方がリバウンドを取ってシュートした時に相手のディフェンスがファールしたとします。しょのシュートがゴールに入れば2点が加えられるうえに、相手のファウルによりフリースローが与えられて、合計すれば3点になる可能性が出てきます。(バスケットボール・カウント・1スロー/3ポイントプレイ)
【ゴールのあとのスローイン】
 フィールドゴールが決まった後と最後のフリースローが成功したあとは、得点を奪われたチームの誰かがエンドラインのアウトからボールをスローインしてゲームが再開されます。
 この時は、エンドラインのアウトのどこからスローインしても結構ですが、アウトでボールを与えられたら5秒以内にスローインしなければいけません。
 また、スローインするとき、ラインを踏むのはOKですが、ラインを踏み越してはいけないことになっています。
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4.チャージド・タイムアウト
【チャージド・タイムアウトの取り方】
 それぞれのチームは、第1、第2、第3ピリオドに1回ずつ、第4ピリオドに2回ずつのチャージド・タイムアウトを取ることができます。また、各延長タイムには1回ずつのチャージド・タイムアウトが取れます。1回のタイムアウトの時間は1分です。
 審判がチャージド・タイムアウトを認めてから、50秒が経過すると、スコアラーは合図をして審判に知らせることになっています。このチャージド・タイムアウトは審判が笛を鳴らしてゲーム・クロックが止まったとき(ボールがデッドの状態)であればいつでも取れますし、相手チームがフィールド・ゴールで得点したときも取ることができます。※チャージド・タイムアウトは戦術を話し合う大切な機会です。
【戦術的な取り方】
 どういう状況の中でチャージド・タイムアウトを取るかというのは、戦術的に非常に大きな意味があります。主に次のようなケースでチャージド・タイムアウトが取られることが多くなっています。
①ゲームの流れが相手側に大きく傾いており、その流れを変えたい時
②接戦で残り時間が少なく、選手への指示を徹底させたい時
③選手たちの疲れが目につき、少し休憩を与えたい時
 このように、効果的なタイミングでチャージド・タイムアウトを取ることによって、その後の展開を有利に運ばせることも可能なのです。
【NBAルールとの比較】
 チャージド・タイムアウトの取り方に関して、インターナショナル・ルールとNBAルールを比較してみましょう。
 インターナショナル・ルールではコーチがテーブルオフィシャルに請求をしてチャージド・タイムアウトを取りますが、NBAの場合は、ボールを持っている選手が自分で審判に向かってダイレクトにチャージド・タイムアウトを請求します。ここが違っている点です。
 極端な例を言うと、ボールを持ってコートの外に出そうになった場合、そのままコートの外に着地してしまうと相手のボールになってしまうので、体とボールがコートの外に着地する前に空中でチャージド・タイムアウトを請求することがあります。
 あるいは、ボールを相手に取られそうになった時に、慌てて請求するケースもあります。こうしたこともルール上ではOKであり、そういった場面をNBAの試合でも度々見ることができます。
 NBAは1試合に7回のチャージド・タイムアウトが取れます。また、前半と後半に1回ずつ20秒のチャージド・タイムアウトを取ることができます。
 また、NBAには通常のチャージド・タイムアウトのほかに、コマーシャル・タイムアウトというものもあります。これはテレビ中継の中でコマーシャルを流すためのもので、オフィシャルが時間を作ってタイムアウトを作ってくれるのです。テレビの放送にも協力するというアメリカらしいルールと言えるでしょう。
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5.ドリブル
【ひと続きのドリブル】
 ドリブルするということはボールを床に弾ませたり、転がしたりして、他の選手に触れないうちにもう一度ボールに触れることを言います。
 ひと続きのドリブルは、ドリブルする人の両手がボールに触れた時と、片手または両手でボールを支え持った時に終わります。
 ひつ続きのドリブルが終われば、その選手が新たにドリブルをすることはできません。ただし、ショットをしたり、相手にたたき出されたり、パスかファンブルしたボールが他の選手に触れたりした後ならば、新たにドリブルをすることができます。
【ドリブルの規定】
 ドリブルを紹介する上で、いくつかの規定があります。それを紹介しましょう。
①ボールが手から離れている時であれば、ドリブルする人は何歩進んでもいいことになっています。ただし、ボールを持ったら3歩以上進んではいけません。
②ボールを取る時やパスを受ける時にファンブルしても、そのままドリブルすることはできます。しかし、ドリブルの終わりにファンブルしてしまったら、ボールを取ることは出来てもドリブルをすることはできません。
③ドリブルをする人は、進む方向にいる相手に突き当たってはいけないことになっています。進路上に相手がディフェンスの位置をキープしていたら、進む方向を返変更したり立ち止まったりして、相手選手との接触を避けなければならないというルールがあります。
【トラベリング】
 ボールをコントロールしている人が、ルールで認められている範囲以上に足を動かしてしまうことです。代表的な例は、ボールを持ったまま3歩以上歩いてしまうことでしょう。
 トラベリングをなぜ起こしてしまうのでしょうか。それはドリブルが高かったり、重心の位置が高かったりすると、ドリブルして止まった時に、体勢が崩れたりするからです。具体的に言うと体が前に流れたり、軸足が安定しないでズレたまま、もう一方の足で着地してしまってトラベリングを起こすことが多いわけです。
 トラベリングを起こさないためには、何より正しいドリブルをする必要があります。正しいドリブルとは、下半身が安定して重心が下にさがり、状態がヘッドアップしているような体勢です。これなら、相手ディフェンスの状態やフロア全体の流れがよく見えるはずです。
 そういう状態を維持していると、次に起こることが想定できますので、止まった時にトラベリングを起こしづらくなります。また、ドリブルの突き出しの時や、レシーブをする時にトラベリングが非常に多くなっています。正しくボールを突き出したり、重心を下げてボールをもらったりして、トラベリングにならないように、しっかり練習しましょう。なお、トラベリングの解釈についてはコチラで詳しく説明してあります。
【良くないピボット】
 ボールをコントロールしている選手が、一方の足を軸足として、もう一方の足を任意の方向に何度でも踏み出すことがピボットです。ピボットした時に、その軸足が動いてしまってバイオレーションになってしまうこともあります。軸足のブレには特に注意する必要があります。
【イリーガル・ドリブル】
 初級レベルの人が起こし易いプレー中のバイオレーションとしては、トラベリングの他にはイリーガル・ドリブルがあります。このイリーガル・ドリブルは、ドリブルが高い時に起こりやすいものです。
 そもそもボールを上手くコントロールするためには、常にドリブルを低くしなければいけません。それなのに、ドリブルが高くなってしまうと、うまくボールをキープすることができなくなって、イリーガル・ドリブルになりがちです。また、疲れてきてヒザが伸びてしまった時にもイリーガル・ドリブルは起こりやすくなっています。ひざを十分い曲げてヘッドアップして、低い体勢でドリブルをすればイリーガル・ドリブルを防ぐことができます。
※イリーガル・ドリブルとは、例えばドリブルをしている最中に手が返りすぎて、ボールを持っていると判断されてしまった場合等です。
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6.アウト・オブ・バウンズ
【どんな時にアウトになるか】
 アウト・オブ・バウンズには、選手がアウトになる場合と、ボールがアウトになる場合の2通りがあります。
 選手がアウトになるのは、境界線の上か境界線の外の床に足が出てしまった時です。ただし、境界線は壁ではありませんから、境界線の上や外に腕や頭が出ても、足さえ出なければアウトにはなりません。
 また、ボールがアウトになるのは、境界線の上か外の床に出てしまったり、アウトにいる選手(スローインのためにアウトにいたケースなど)に触れてしまった時です。また、バックボードの支えやその裏にボールが触れた時も、そのボールはアウトになります。
 ただし、アウトになりそうなボールでも、選手がコート内からジャンプして、コートの外に着地する前にボールをコートに返せばアウトにはなりません。
 いずれにしても、ボールがアウトになれば、それはバイオレーションになります。
【ボールをアウトさせた選手】
 ボールがアウトになった時にポイントとなるのは「誰がボールをアウトにさせたか」ということです。境界線の上か外にいる選手にボールが触れてアウトになった時は、その選手がボールをアウトにさせたことになりますし、それ以外の場合は最後にボールに触れた選手がアウトにさせたことになります。
 例えばスローインのボールをコート内の選手がはじいて、そのままスローインした選手に当たったとします。この場合、ボールをアウトにさせたのはスローインをした選手と言うことになります。
 あるいは、自分が触れていたボールがアウトになりそうなとき、そばにいた相手選手に故意にボールをぶつければ、ボールをアウトにさせたのは、最後にボールに触れた相手選手ということになります。あくまでも、最後にボールに触れたかどうかが決め手になります。
【アウトの判定】
 ボールのアウトの判定は審判がはっきりと見極めて合図することになっています。ボールは、アウトになった場所に最も近いアウトの位置から、相手チームのスローインとなります。この場合、誰がスローインしてもかまいません。また、どちらのチームがボールをアウトさせたのかが判定できない場合は、ジャンプボールになります。
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7.ボールをバックコートに返すこと
【規定】
 チームが一度フロントコートにボールを進めたら、そのボールを再びバックコートに返すことはできません。それが成立するためには次の3つの条件が必要です。
①チームがコントロールしているボールをフロントコートに進めること
②フロントコートで、そのチームの選手がボールに最後に触れること
③バックコートにいるそのチームの選手が、最初にボールに触れること。または、バックコートにボールが触れた後に、味方の選手(フロントコートにいる選手でも)に最初に触れること
 この3条件がなければ成立しません。
 このルールは、フロントコートのアウトからのスローインにも適用されます。ただし、センターラインのアウトからのスローインの時は、フロントとバックを問わず、誰にパスしても大丈夫です。それでは具体例をいくつか挙げてみましょう。
[ケース1]
 バックコートにいるA選手がフロントコートにいる同チームのB選手にパスをした。
 B選手はファンブルをして、ボールはバックコートに。このボールをA選手が取る。
[ケース2]
 フロントコートからのスローインで、A選手がバックコートにいるB選手に直接パスをする。
[ケース3]
 センターサークルでのジャンプで、フロントコートからジャンプした選手が空中でボールをキャッチして、着地する前にバックコートにいる選手にパスをする。また、空中でキャッチしたままバックコートに下りる。
[ケース4]
 バックコートにいる選手が、フロントコートでボールを弾ませる。
 また、フロントコートにいる選手がバックコートでボールを弾ませる。
[ケース5]
 バックコートでボールをコントロールしているA選手がフロントコートにいる味方にパスをだしたが、相手チームの選手の背中にあたり、フロントコートを転がりバックコートに戻ってしまった。この時、このボールをA選手がバックコートで再びコントロールする。
【この規定のバイオレーション】
 この規定に違反すると、バイオレーションになります。このバイオレーションの後は、他のバイオレーションの後と同様に、バイオレーションが起こったところに最も近いアウトの位置からスローインが行われます。
 ボールをコントロールしている選手がセンターラインに触れて起こった違反の後は、ボールを与えられるチームのフロントコート側からスローインをします。
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8.時間ルール
【3秒ルール】
 ボールをコントロールしているチームの選手は、相手側のバスケットに近い制限区域内(リング付近の台形に囲まれた範囲です)に3秒を超えて留まってはならないというのが3秒ルールです。
 アウトからスローインする時はゲームクロックが動き始めてから3秒ルールが適用されます。ただし、ショットのボールが空中にある時やデッドになっている時は、どちらのチームもボールをコントロールしているわけではないので、この3秒ルールは適用されません。また、3秒ルールの違反はバイオレーションとなって、相手チームにスローインが与えられます。そのバイオレーションが起こったポジションに最も近いサイドラインのアウトから再開されます。
【5秒ルール】
 フリースローやスローインの時、選手はボールをもらったら、5秒以内にプレーをしなければいけないという5秒ルールがあります。また、選手が相手にしっかりディフェンスされて5秒以上プレーできない状態を超えた時もバイオレーションになります。
 この時ただピボットをしているだけではプレーしていることにはなりません。プレをしようという意志があっても、この状態で5秒を過ぎればバイオレーションになり、相手ボールになります。
 相手に5秒ルールのバイオレーションを起こさせるには、コーナーやセンターライン際に追い込む方法もあります。例えばボールをコントロールしているオフェンスをコーナーに追い込み、ボールをバックコートに返す違反や、5秒オーバーをさせるためにダブルチーム(ボールを持っている選手にディフェンスが2人つく)を組んで行くわけです。
 バイオレーションを誘うためにダブルチームを組む時は、2人の間を絶対空けないことが大切です。2人の体を交差させて、その間をしめてしまいます。相手に外にプレーさせる分には、リングからの距離が縮まらないのでかまいません。しかし、ダブルチームの間を抜かれてしまうと、相手がリングへの距離を縮めると同時に、一度の2人が抜かれることになって不利になります。
 ダブルチームの場合、一番効果的なのは相手にピボットも踏めない状態にする事です。もっともダブルチームの動きが悪いと相手にスキを与えてピボットなどでダブルチームを崩されることがありますので注意が必要です。
 逆に相手がダブルチームに来た時、オフェンス側がそれを破るためには、パスができない場合はピボットを踏んで、デイフェンスを動かすことも有効です。2人がオフェンスの動きにつられてスキを作ったら、その方向に動けますし、ダブルチームの間が空いたらその間を突破することもできます。
 どうしてダブルチームの間があいてしまうのかというと、1人が動いた時にもう1人がサボってしまったり、2人の呼吸が合わないときなどに起こってしまうのです。
【8秒ルール】
 バックコート内で生きているボールをコントロールしているチームは、8秒以内にボールをフロントコートに進めなければいけません。つまり、8秒以内にフロントコートにいるどの選手にでも触れるか、ドリブルでセンターラインを超えるなどして、ボールをフロントコートに触れさせる必要があるわけです。
 センターラインをまたいでいる選手はバックコートとフロントコートの両方に位置していることになります。この場合、パスを受けてバックコート側の足を上げれば、ボールはフロントコートに進んだことになります。
 この8秒ルールに違反してしまうとバイオレーションです。相手チームにスローインが与えられ、それが起こったポジションから最も近いアウトの位置から再開されます。
【24秒ルール】
 ボールをコントロールしているチームは、24秒以内にショットをしたボールがリングに触れなければならないというのが24秒ルールです。ただし、空中で合図が鳴った場合は、ショットが入れば認められ、入らなかった場合は相手ボールとなります。
 違反するとバイオレーションとなり、それが起こったポジションに最も近いアウトの位置で、相手チームにスローインが与えられます。
 このルールはプレイヤーにとって非常に大切なルールですので、少し詳しく説明します。
●24秒の合図が鳴った時は、ゲームクロックは必ず止まります。
●ボールをコントロールしているチームは、2秒以内にショットをしなければならないし、ショットされたボールは24秒の合図が鳴る前にリングに触れなければなりません。
●24秒の終わり近くにショットされ、そのボールが空中にある間に24秒の合図が鳴っても、リングに入れば得点は認められます。
●そのボールが入らないときには、普通のバイオレーションと同じく、相手チームのスローインからゲームは再開されます。
●ゴール・テンディングやバスケット・インターフェアの規定は、24秒の合図が鳴った後でも全て適用されます。
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9.バイオレーション
【バイオレーションとファウルの違い】
 一口に違反といっても、バスケットボールにはバイオレーションとファウルの2つがあります。ファウルは体の接触やスポーツマンらしくない行為から起こる違反のことです。
 一方、ファウルを除いた全ての違反がバイオレーションとなります。具体的にはトラベリング、イリーガル・ドリブル、ボールをアウトにすること、時間ルールの違反、ボールをバックコートに返すことの違反などです。
【バイオレーションの宣告】
 バイオレーションが起こると、ボールはただちにデッドになります。つまり、バイオレーションが告げられてからボールがバスケットに入っても、それは得点になりません。
 また、バイオレーションをしてしまうと、それが起こったポジションに最も近いアウトの位置から、バイオレーションを起こしていないチームのスローインになります。
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【ルール(コート・タイム)】
◆コートの大きさや各ラインについては下の絵でご確認ください↓
◆補足ですが、上の図は国際ルールに沿ったものです。国際ルールとNBA(アメリカのプロバスケットボールリーグ)ではルール上多くの違いがあります。NBAはエンターテイメント性を強くするため、独自にルールを変更しているのでご注意ください。
◆プレイタイム
[第1Q]
10分
休憩
2分
[第2Q]
10分
ハーフタイム
10分or15分
[第3Q]
10分
休憩
2分
[第4Q]
10分
休憩
2分
OT(延長)
5分
※「Q」・・・クォーター 「OT」・・・オーバータイム


【ポジション】
◆一般的に次の5つに分かれます。①PG(ポイントガード)、②SG(シューティングガード)、③SF(スモールフォワード)、④PF(パワーフォワード)、⑤C(センター)。
それぞれのポジションを1〜5のナンバーで呼ぶこともあります。PG→1、SG→2、SF→3、PF→4、C→5。また、C・PF・SFの3人を合わせて「フロントコート」、SG・PGの2人で「バックコート」などとも呼びます。
◆それぞれのポジションには希望されるプレーのイメージがありますが、当然必ずしもそういった特徴をもった5人がいなければならない理由はありません。チーム状況、相手によってPG的な人を2人同時に使ったりする場合もあります。
以下に各ポジションの一般的な役割を記します。
[PG(ポイントガード)」
コート上のコーチとも呼ばれ、いわゆる司令塔です。ボールを運び、オフェンスのパターンをセレクトしながらゲームメイクを行います。ボールに触れる回数が最も多く、ボールハンドリング、パスの能力が求められます。スピードとシュート力があれば言うことありません。
ゲームメイクを任されるポジションですから、常にチーム全体とゲームの流れに気を配る必要もあり、性格によっても向き・不向きが出るポジションかも知れません。
→イメージに沿った代表的な現役NBAプレイヤー「ジョン・ストックトン(ジャズ)」
→スラムダンクで言うなら「深津(山王工業)」
[SG(シューティングガード)」
①一般的にロングレンジからのシュートが要求されます。その為に必要な能力は正確なシュートタッチになります。良いSGがいればディフェンス側はインサイドだけ固めていれば良いという訳にはいかなくなり、ディフェンスが分散されゴール下が手薄になり、その結果オフェンスのバリエーションが広がります。動きとかが速くなくてもひたすら正確なシュートを持っている選手は「ピュアシューター」なんて格好いい呼び方もされます。
②外からのシュートだけではなく、このポジションはドライブでゴール下へ切れ込むというプレイも求められます。その為に必要な能力はスピード、ボールハンドリング、シュート力でしょうか。最もアスリート的な能力も問われるポジションです。
→イメージに沿った代表的な現役NBAプレイヤー①「アラン・ヒューストン(ニックス)」②「マイケル・ジョーダン(シカゴ時代)」
→スラムダンクで言うなら①「神(海南大付属)」②「流川(湘北)」
[SF(スモールフォワード)」
ミドルレンジのシュートが得意で、ドライブで切れ込むこともでき、パワーでも勝負ができる・・・簡単に言うならSGとPFの間の能力が求められます。(すみませんっ)プレイエリアで言うならSGよりも少しゴールに近い所になります。(すみませんっ)オールラウンドなプレイができることが理想です。
→イメージに沿った代表的な現役NBAプレイヤー「ポール・ピアース(セルティックス)」
→スラムダンクで言うなら「三井(湘北)」※シュートだけじゃねえんだあの人は(宮城談)
【PF(パワーフォワード)】
主なプレイエリアはセンターと同じくリング付近で、求められる内容もセンターに近いものがあります。求められるのは高さとパワーになります。おまけにシュートタッチが良ければ鬼に金棒です。シュートはリングに近い所から放つほど確立が良くなるので、リング付近にポジションを取るPFに良い選手がいれば、オフェンスは非常に安定します。高さやパワーで相手に負けないアビリティを持った選手であれば、有利にゲームを行えます。オフェンスと同じ理由でディフェンスにおいても、相手に良いポジションを取られないパワーやリバウンドを奪える高さがあるPFがいれば、相手は安定したオフェンスを行えず有利にゲームを行えます。
→イメージに沿った代表的な現役NBAプレイヤー「ティム・ダンカン(スパーズ)」
→スラムダンクで言うなら「桜木(湘北)」
【C(センター)】
リングに最も近い位置でプレイします。PFに求められる高さとパワーをより特化した能力が求められます。PFと同じ理由で、有能なCがいれば非常に有利にゲームを行えます。点の取り合いであるバスケットボールにおいて、リングに最も近いところに位置するポジションなので、オフェンス・ディフェンス両面において重要なポジションになります。
→イメージに沿った代表的な現役NBAプレイヤー「シャキール・オニール(レイカーズ)」
→スラムダンクで言うなら「魚住(綾南)」

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