カールズバーグカップ 日本代表 対 メキシコ代表

2000年2月5日(土)16:00キックオフ(日本時間)
香港ナショナルスタジアム(テレビ観戦^^;)

小野伸二、名波浩、伊東輝悦、稲本潤一、中村俊輔、中田英寿。
数え上げれば切りが無い日本代表のタレントはしかし、どうしてこうも中盤の、しかもインサイドのプレイヤーばかりなのだろうか。
ヒデは、ASローマでの試合を重視し、今回の代表召集は辞退したのだが、それでも、本来トップ下でのプレーにその特徴を最も発揮する中村俊輔が、小野伸二とポジションが重複することを理由に左サイドにコンバートされ、挙句の果てに名波浩が左WBに起用されたため、俊輔はベンチ入りも果たせなかったという程の、重複ぶりである。
フィリップ・トゥルシエ監督は、かくもゲームメーカーばかりを取り揃えて、どんな試合プランを立てたのか。
この試合で見られたのは、中盤で細かいパスを繋ぎながら相手を崩すという動きである。FWはサイドに開いて相手DFを左右に広げて、隙が出来た相手中央をMFの選手が崩すのである。
また、FWがサイドに出たときにマークが薄ければ、そこにロングパスを送り、そこを起点とした攻撃も見られた。
前日本代表監督が重視した、サイドバックの上がりを起点とし、相手DF陣のサイドを深くえぐり、クロスを上げるというサイド攻撃を使うのではなく、中盤のパスワーク、ドリブル突破で攻撃しようとする考えは、実践することができるなら、観戦していてもワクワクするような素晴らしいサッカーになることだろう。

しかし、この「動き」が戦術として機能した場面は、とうとうただの一度も見られなかった。

メキシコのDFラインは3バックであっても、そのラインは非常に高く保たれるのが特徴である。
これにより、前線とバックラインの距離が短く保たれ、プレスの効果を上げているのだ。
このため日本はボールをキープしても、相手のマークが徹底されているため、パスカットされるのを恐れて縦へのパスが送れない。
よってパスを出すのは、ボールを貰いに下がった選手へか、横パス又はバックパスだけとなってしまい、攻撃の形が作れずにいたようだ。

この試合、日本代表は、小野がトリッキーなドリブルやパスを多少披露していたが、それ以外は、各選手がそれぞれの特徴を生かせないままに終わってしまった。
結果論ではあるが、ゴール前でイマジネーション豊かなプレーをする中村俊輔を外したのは、間違いだったのではなかろうか。

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