第79回天皇杯4回戦、浦和レッズ対柏レイソル戦は、2対0で柏レイソルの勝利に終わった。
今まで俺は、サッカーにおけるスコアで、2−0というのは「ほぼ完勝」だと認識していた。つまり、どこかのリーグ戦の一試合において、2−0という結果のゲームがあれば、その試合をみていなくとも、「勝ったチームが終始ボールを支配する展開で、要所で得点を挙げたのだろうな」と判断していたのだ。
しかも、今期のJリーグにおける年間成績は、柏レイソルが総合4位、浦和レッズが総合15位であり、リーグ中、同2チームによって行われた直接対決も、柏レイソルの2戦2勝という結果だった。
「実力の差だろう」と考えるのが自然である。

ところが、このレッズ対レイソル戦において、終始ボールを支配していたのは負けたレッズの方で、決定機の数もレッズの方が大幅に上回っていた。観戦していても、思わず力が入るような攻撃がレッズの方に多々見られた。

では何故、このような結果になったのだろうか。

レイソルの基本戦術は堅守からの速攻のようで、それはこの試合でも実践されているようだった。ただ攻撃陣に元気がなく、チャンスらしいチャンスは殆どなかった。
一方のレッズの戦術は、シーズン中の試合からは見て取れなかったのだが、主な得点パターンは深い位置から大きくクロスを上げ、それにFWが合わせるというものが多く、この試合でもこの形から惜しいチャンスがいくつかあった。しかしこれだけでは「思わず力が入るような攻撃」とは言い難い。
この日のレッズは、小野伸二、永井雄一郎、山田暢久らキープ力のある選手が、幾度となくドリブルによって切れ込もうと試みていた。
もともと日本選手の中ではズバ抜けたキープ力とスピードを持った選手だけに、ただでさえ彼らのドリブルには惹きつけられるものがある。
それらの選手が深い位置からボールを持ち込み、独力でドリブル突破しようと、、、、。

そう、深い位置からのドリブル突破を仕掛けるため、すべて相手ディフェンダー陣の網にかかり、シュートチャンスまで持っていけなかったのだ。
小野はドリブルに加え、鋭いスルーパスを数回出していたが、ボールの受け手が追いついていなかった。
永井はライン際に追いやられボールの出し所が無くなり、山田は中央に切れ込むものの、そこに待っているのはゴール前を固めた4〜5人の相手DFだった。

残念ながら彼らの突破力は、DF数人が囲むようにして、その進路を狭めるように対処すれば、容易に阻むことができるものなのかもしれない。(まぁロナウドじゃないんだし、そりゃそうか、、)
しかし、彼らが近い位置でプレーし、速いパス交換を行いながら、相手のスペースをついていけば、また違った結果が得られたのではないだろうか。
レッズに足りなかったのは、短く速いパス交換、スペースを突く動きだったのではないだろうか。

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