'99 Jリーグ DIVISION1 2ndステージ
ヴェルディ川崎 対 浦和レッドダイヤモンズ

1999年11月23日(火)15:00キックオフ
等々力陸上競技場(28列808番)

等々力陸上競技場はヴェルディ川崎のホームグラウンドである。
そのスタジアムのゴール裏が浦和レッズのチームカラーで染まった。
J1残留レースを少しでも優位に進めるため、是が非でも勝利を収めたい試合。
サポーターの意気込みも違うようだ。

試合前、隣に座ったおっちゃんが、紙ふぶきをたんまり詰め込んだ袋をみせて、
「よかったら使ってください。子供が急に来れなくなったもので。」
なんて声をかけてくれたんだけど、
『あはは。気合い入ってるねぇ、おっちゃん。でも紙ふぶきって片付けるのに人件費が結構かかるらしいから、あんまり使いたくないんだよなぁ』
とか冷静に考えつつも顔では笑って、
「あっ、はい。」
と軽く返事をしておいた(笑)。
ハーフタイムには、そのおっちゃん、ラジオか何かで情報を知ったのか、
「ジェフ、前半終えて3−0で勝ってるみたいですよ」
と教えてくれた。
『う〜〜ん、順位が下のチームを見ても仕方ないんじゃないかな。レッズが勝てばひとつ上のアビスパに勝ち点で並ぶんだし。』
と思いながらも、
「あっ、そうですか。」
と、また軽返事(爆)。

レッズのサポーターって「日本一熱い」とか評されるけど、このおっちゃんに代表されるまでも無く、やっぱりレッズが好きなんだなぁと思った。
「レッズを愛してるんだぞ」とばかりに声を張り上げて、チームが勝つことを誰よりも願ってる。(それは、おっちゃんもおばちゃんも俺も同じ。)
でも同時に思ったことは、『もしかしたら地元で派手に応援できるチームであれば、サッカーじゃなくてもいいんじゃないの?』ということ。

「(ででん・でん・ででん)うら〜わレッズ!!!」
とか、
「うらわれっずー♪うらわれっずー♪ラララ・ラーラ・ラーラ・ラーーラー♪」
とか、ず〜〜〜〜〜っとやってるんだもん。
『ムードを盛り上げて選手を鼓舞しよう!』ってことなんだけど、これってお祭り騒ぎと似てる気がしてならない。
選手が良いドリブル突破しようが、良いパスを出そうが、お構いなしに一本調子の応援が続くだけ。
パスミスしたときばかり、
「あぁぁぁ・・・」
というため息交じりの声が出る始末。

結局、『サッカーを見てない』。

昨年、成績こそリーグの中位で終わったものの、良いサッカーをしていたメンバーに、痒いところに手の届くような補強をして望んだ今シーズンのレッズ。
「これほどまでに低迷しているのが何故なのか?」という風に考える人が果たしてこのサポーターの中にいるのだろうか?
なるほど浦和レッズというチームにとって、選手よりもサポーターの話題が多くとり沙汰される所以なのだろう。

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