ボクと姉さんは、ずっと二人きりだった

まだ・・・今でも小さいボクを、姉さんは育ててくれた。
本当はとても疲れているだろうに、ボクにはそれを悟らせまいと、笑顔で明るく振る舞って。
ボクは姉さんが無理していることには気付いていた。
でも、小さいボクにはどうすることもできなかった。
だからせめて姉さんに心配かけないように、少しでも負担が掛からないように、ボクは自分のことは何でも自分でやった。
人並み以上に何でもした。
ボクにできることはそれぐらいだから。
小さなボクには。

 

「おかえりなさい。姉さん」
「ただいま」
疲れが見えるけれども、姉さんの笑顔は明るかった。
姉さんが帰るくらいに合わせて作ってあった夕飯を机の上に並べていく。
「いつもありがとう。ごめんなさいね」
「ううん。そんなことないよ。姉さんこそいつも遅くまでご苦労様」

 
ワールドリンク管理局に勤めるようになってから、姉さんは前よりも明るくなった。
本当の笑顔で笑うようになった。
それは僕にとってもとっても嬉しいことだった。
管理局では、姉さんは好きなことをできるし、給料もいいから苦労もしなくていいからだろう。
そう、思っていた。
でも、それは違う・・・いや、きっとそのおかげでもあるのだろう。だけど、きっとそれだけじゃない。
だって、あの人のことを話すときの笑顔が一番きれいだから。

 
昇降口で靴を脱いでいると、見慣れた顔が駆け寄ってくるのが見えた。
彼が近くに来る前に、ボクはすこし。
「おはよー、ショウさん」
「おはよう」
いつものように明るく挨拶をする彼に、ボクもいつものようににっこりと笑って返す。
いつもなら、明るい彼を見て自然にでてくる笑顔。
でも、ボクの心の中はいつもと同じじゃなくて・・・
彼の顔を見ると、あの人の顔が浮かぶ。
心の中に渦巻く感情を抑えて、薄っぺらな笑顔を張り付けたまま、ボクは彼と一緒に教室へ向かった。

 
だんだんと、自分の中から溢れてくる想いを止めるのが辛くなってくる。
あの人や、姉さんに対する想いを・・・

ボクと姉さんは、ずっと二人きりだった・・・


「ショウさん、逃げないとっ」
誰かの声が聞こえる。
きっと一緒に遊んでいた子達の内の誰かだろう。
そんなことを頭の隅で考えながら、ボクの意識は一点に集中していた。
これを集中と言っていいのかは分からないが。
確かに意識はそこに向いているように思う。
でも、頭の中があまりにもぼやけていて。
逃げまどい、非常脱出口へと向かっていく子供達が視界に入る。
でも、ボクはそうはしなかった。
迫り来る闇から、目を離すことができなかった。
「ショウさんっっ!」
ボクは、闇に包まれた。

 
姉さん、ボクの姉さん、ボクだけの姉さん
姉さんはボクだけじゃダメなの?

ボクは姉さんさえいればいいのに

 
右も左も、上も下も分からない闇の中、ボクはどこかへと向かっていた。
それがボクを引き寄せているのか、ボクがそれに引き寄せられているのかは分からなかった。
でも、そんなことはどうでもいいことのように思えた。
だって、関係ないもの。
それは、暖かそうだから。
暖かそうな闇だから・・・

 
ボクガタイセツナノハネエサンダケナンダ

ネエサン・・・

 


すいません
勝手に倉知家の設定作っちゃったよ・・・(汗)両親でてきたらどうしよう
おかしい・・・確か最初はこんな予定じゃなかったのに・・・気が付いたらこんなに暗く・・・
とりあえずショウ→レナ→?(バレバレ)です。
ていうか私ウェブダイバー初心者なのに、思いっきり想像で書いちゃったよ。どっか(というか全部?)間違ってたらどうしよう・・・
Please siryo(資料)

そのうち書き直すと思いますが、取り合えすこんな感じで・・・(汗)
お見苦しいものをすいません。

『きょうだい』を変換したら一発で『姉弟』ってでてきた。今まで使った覚えないのに・・・?

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