クリスマスの過ごし方



1999/12/14
Byぴーこ



今年のクリスマスまであと少し…今年も高耶さん貴方と…
と思いつつ、いつものように準備万端に整えいまかいまかとその日がやって来るのを楽しみにいている直江の姿がマンションの一室で見受けられる今日この頃となっていました。


その時、直江は昨日した高耶さんとの約束を思い出していました。
「高耶さん、今年のクリスマスも予定は空けておいて下さいよ」
「分かってるって、そう何度も言わなくても子供じゃ無いんだからな」
でもその瞳は期待にキラキラと輝いています。
「子供じゃ無いんですか?随分嬉しそうですよ」
「んなわけないだろっ、お前が言うからしょうがなくっ…」
あせって少し顔を赤くしながらぶっきらぼうに答える高耶さんの姿はもうよだれものです。
ついもう少しからかいたくなってしまいます。
しかし、この流れで行くと約束が危うくなる。そろそろ話を変えなくては…と思う直江なのでした。
「何か欲しい物でもありますか?」
「欲しい物って…べつに…」
 しばし考え込んでいる高耶の姿を直江は見つめています。
…あの少し上気して薄く染まった頬、黒耀石の瞳、ぶっきらぼうな態度なのにどこか誘っているように見えてくる身体の動き…
やはり高耶さんは最高だと思いつつ、クリスマスの夜にはあんなこともこんなことも…と考え出してぐるぐると回っている直江なのでした。
「……なのか?」
「えっ?」
突然の高耶さんの声にやっとぐるぐるから呼び出された直江は、何を考えていたのかはお首にも出さないようにしながら高耶さんを見直しました。
「だから、お前は何か欲しい物は無いのかっ手聞いてんだよ」
「私ですか?」
聞き返すと何やら高耶さんはとても真剣な顔をしています。
「だって俺、お前にばっかりしてもらうだけで…なんか悪いから…」
あまりの可愛さにこのまま押し倒したいのを必死でこらえて、直江は今は答える事に集中しました。
今機嫌を損ねたら大変な事になります。直江はとっておきの笑顔で高耶さんに答えました。
「貴方が一緒に過ごしてくれるだけで十分ですよ」
「本当にそんな事で良いのか?」
「えぇ…」
 そして貴方とクリスマスの夜はあんな事もこんな事も……
とまぁこんな事を考えていたのですが、高耶さんは気付く様子もなくさっさと帰っていってしまいました。



トゥルルル…トゥルル……
昨日の思い出に浸っていると、電話が掛かってきました。
こっこれは高耶さんからだ…
(直江は高耶さんからの電話はその恐ろしい嗅覚(?)で判断できるののです…)
「はい、橘ですが…」
『直江か?』
「高耶さん、どうしたんですか?」
とか真面目に聞きながらも高耶の声だけで既に舞い上がっている直江なのでした。
『お前、俺といるだけで幸せって言ったよな?』
おぉ、これは高耶さんからの積極的な愛の言葉!!
貴方はこんなにも私を愛していてくれているのですね。でも、電話越しでなんて……貴方はずるい人だ…と盛大に直江は回っていました。
『でさぁ、クリスマスなんだけど』
「はい」
もう直江は回り過ぎていて、何故高耶さんが電話をかけてきたのか考える容量も残してはいませんでした。なので、この後にくる恐ろしい言葉を聞くまでは…ただ幸せに回っていたのです。
『クリスマスねえさん達とクリスマスパーティーする事になったから…』
「え?!」
 ここでやっと直江に正常(?)な思考が帰ってきました。
「そっそれは…本当なのですか?」
必殺の衝撃に打ちのめされている直江の耳にこの事の発端と思われる人物の声が届いてきたのはその後すぐでした。
『よお!直江聞いてるか?晴家と飲んでたらばったり影虎に会ってな、晴家がどうしても影虎とクリスマスパーティーやるって言って聞かないもんだからよっ!悪ぃなっ!』
直江は知らずに拳を握りしめていました。(長秀殺っ!!)とその時心に誓った直江なのでした。

END


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コメント;初めて書いたミラージュです。直江ファンの皆様ごめんなさい。
できましたら感想をおくって下さると嬉しいです。ミラージュを極めるならこれを書かなきゃ!と言うのでもけっこうです。これから宜しくしていって下さい。