「大きくなったら兄ちゃんのおヨメさんになる!」

子供の頃、そう宣言したことのある啓介だった。

涼介も、「いいよ」って約束をしてくれた。

けれど、それが叶わないことをお母さんから教えられたとき、

とても悲しかった・・・



「なぁ、アニキ。今でも俺、アニキのおヨメさんになりたいって言ったらどうする?」
「そうだな・・・。今だって恋人だけどな・・・?そんなにおヨメさんになりたいか?」
くっ・・・っと笑うと涼介は目を細めた。
「・・・・・・・・・」

その沈黙が、啓介の「不安」だと、涼介はすぐに分かった。
「啓介。俺のおヨメさんは、お前以外にいるはずないだろ?」
「アニキ・・・」
嬉しくて目を潤ませた啓介に見つめられると、
お兄チャンはとことん甘くなってしまう。
涼介の服にしがみついてきた啓介の背中を
あやすようにぽんぽん、と軽くたたいた。
「んじゃ、俺そろそろ自分の部屋帰るぜ。アニキの邪魔しちゃ悪いしな?」
啓介は目の端の涙を拭うといたずらっ子のように笑った。
そして、握っていた涼介の 服のはしを離して部屋を出ようとした
「啓介。今夜は俺の部屋に泊まっていけよ。」

さりげなく言った涼介の言葉に、啓介はうっすらと頬を紅色に染めた。


*無茶苦茶な話になってしまいました。初UP作品です。
最初はこういう話が好きでした。

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