放課後


  「たっくみー!今日ゲーセン寄ってこーぜ!」
いつものように元気のよすぎるイツキと、相変わらずボケーーっとした
拓海が校門付近を歩いていた。

すると、校門のすぐ横に、一台の白いFCが静かに止まった。
(あれ・・・?この車は・・?)
と、イツキが思っていると、

「藤原。今日ヒマか?」

助手席の窓からひょっこり顔を出したのは高橋啓介であった。
「悪かったな。拓海。突然押し掛けちまって・・・」
その運転席にはFCの持ち主こと、高橋涼介がにこやかに微笑んでいた。

「ずりーぞ!アニキ!呼び捨てなんてよぉ!俺だって拓海って呼びたかったんだぞ!
藤原!俺も拓海って呼んでいいだろ?」
子供のように大騒ぎする啓介に拓海は、
「はぁ・・・いいですけど・・」
とまぁ、相変わらずの調子で答えていた。

(スゲー光景だ。拓海・・・お前何で平気でいられるんだよぉお!)
うずうずしているイツキには目もくれず、
兄弟の視線はひたすら拓海に注がれているのであった。

ふと、思い出したように、涼介が、
「君は拓海くんの友達かな?今日は何か約束でもしてたのか?」
「いえ!ないです!」
「・・・あれ?イツキさっき・・」
(小声で)「いいんだよ!お前は高橋兄弟と楽しんでこいよ!
あとで何したか聞かせろよ!!」
「じゃ!俺、先に帰るな!」
そう言うと、イツキはさっさと帰ってしまった。


「拓海、早くおいで。」
にっこりと、涼介が微笑んだ。
拓海は赤くなりながら、素直に助手席に乗った。
「アニキばっか、ずるいよなァ・・」
・・・と、後部座席では啓介がちょっと口をとがらせて
兄に抗議していた。

「今度はお前のFDで来ればいいだろ?」
と、なだめられて、啓介はすぐにおとなしくなる。

しかし、この時点で、啓介は兄に何歩もリードされて
いることに気づいていなかったのである・・・。


何だかまとまりのない話ですねぇ・・。
これは、兄弟バトルの幕開けとでも言いましょうか・・・。

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