『体温』


『もし私が消えてしまったら君は悲しんでくれるかい?』

そう言ったあの人の瞳は

いつもと同じ、底が見えない湖のように深い緑で

私には彼のココロが解らなかった。

『わからないよ』

声が少し不機嫌になる。

『だって、先のことなんて誰にもわからないもの』

そんなこと私にも、貴方にも、きっと神様以外は誰も知らない。

だけど。

そう言った私の言葉を聞いて、そうだねって笑った顔が

今にも消えてしまいそうで

私は彼の手をぎゅっと握りしめた。

繋いだ手から伝わる体温が心地よくて

いつまでもこうしていたいと思う。

誰だっていつか別れなんてモノは訪れるし、

それが早いか遅いかの違いだけ。

でもね。

貴方とならずっと一緒にいたいと思えるよ。

あるはずのない永遠って言葉も信じられる気がするの。

そんな恥ずかしいこと考えるのは貴方の影響かも。

ぎゅっと力を込めると握り返してくれる貴方の優しさが

あったかくて、嬉しくて

自分だけって期待してもいいかな?

もし貴方と歩む道を違える時が来たら

サヨナラの代わりに、こう言おう。

『ありがとう』



+++あとがき+++
初めて書いた『遙か』です。あ〜〜〜恥ずかしい!!!
文中で書いた台詞でお気づきかと思いますが、あんな恥ずかしい台詞を神子に伝染されられる人物は限られてます。
某少将とか伊予の某海賊とか…平たく言うと地の白虎×神子ですね。
私的イメージでは某お頭なんですけど。神子が明らかにあかねイメージなので、友雅。誰がなんと言おうと友雅×あかね。
現代ED友雅×あかねでした。