『幸せのカタチ』


私と貴方の間はいつも一定。まるで定規で測ってるみたいに正確だよね。

常に開いてる数十センチの間は貴方に触れることを許さない。

苦労して恋心を知らない貴方の恋人になれたのに、これじゃあロマンスも何も生まれないよ。


一つため息。


視線を感じて顔を上げると心配そうな貴方の顔。口を開くといつもの台詞だろうね。

「問題ないか?」

やっぱり。

問題ないよ、って笑いかけると貴方の顔が険しくなる。

心配性で、寂しがり屋の甘えん坊。そんな貴方の恋人になったことは後悔しない。

でも…


欲を言えば、もう少し情操教育が必要かなって思ったり。


そんなことに思考を巡らしてると
手に温かい感触がした。


ぎゅっと握りしめられた貴方の手。

そっぽを向くその仕草は照れかくし。


普段は変わらない貴方の頬が、今は薄紅色に染まっているはず。


えへへ、って笑って腕に抱きついたら眉をひそめられた。

それでも黙ってなすがままになってくれてる。



嬉しいな。


大好きな貴方と一緒にいられる、それが嬉しい。


幸せって案外こんなカタチをしてるのかも。


私だけが知ってる
貴方の素顔。



+++あとがき+++
泰明って自分から手を握ったりして真っ赤になるのかな?…ならなさそうですね。失敗したわ。
『心配性で寂しがり屋の甘えん坊』これは私のお子様ってこんな感じかしら?
ってイメージで書きました。ほらだって彼、 2歳だから(爆)

独占欲はありそうだけどね〜。いや、むしろあって欲しい (爆)