ガラスのテーブルに置いた携帯電話が
ひどい音を立てて振動したので、司馬
は息が詰まって目が醒めた。





(non title)
犬飼冥
玄関の前にいる


「……」


RE:
どこの?

RE:RE>
犬飼冥
開けて

RE:RE>RE:
寒い?

RE:RE>RE:RE>
犬飼冥
開けて


「……」


RE:RE>RE:RE>RE:
眠い


相手の溜息が聞こえたような気がして
可笑しくなって寝返りを打つ。それでも
帰らないで待っててくれるんだねなんて
一瞬思って頭の中が冷たくなって、誤魔
化すみたいに勢い良く起きあがった。