生まれてきてくれたあなたへ            宝物。

          

            

             

   「ふふふ。やわらかーい。つきたてのおもちみたいです。ふわふわですよ。ほっぺ。
瞳と鼻筋はゼルガディスさんですね。そーっくり〜」
「鼻ペチャなのは俺似じゃないと思うがな」
「むううう〜。どおゆう意味ですかそれ〜」
「ほら。もう寝ちまった。やれやれ。誰かさんにそっくりだ。
よく泣くところもよく寝るところも、な」
「泣く子は育つっていうじゃありませんか!」
「寝る子は、じゃなかったか?」
「寝たって泣いたって、生れてきてくれたんですもの。それでいーんです!!(びし)」
その割には育ってない気がするが(ボソ)
「ゼルガディスさん」
「どうした」
「・・・・その・・・・、
−−−−ありがとう、ございました。・・・・(じわー/うるうる)」
「いちばん大変だったのはお前さんだ。ほら、泣くな。
これからもっと大変だぞ。母親がそれでどうする」
「はい。そう・・・・そう−−−−ですね。
わたしたち、とーさんとかーさんになったんですよね」

「ああ。この子はお前と俺の子供だ。どう見ても、まぎれもなく、な。
まあ子供は親を選べない以上
こいつがどう思ってくれるかは・・・・わからんが」
「だいじょうぶですよ。こんなに小さな手・・・・。
よく判りませんけれど、うまく言えないんですけれど・・・・
こんなに愛してる。わたしたちが守ってあげる。それでいいじゃありませんか。
きっと・・・・
そこから先の答えは、この子だけが知ってるんですよ」

「・・・・。強いな。女(おまえ)は・・・・」
「これからもよろしくお願いします。ゼルガディスさん!
じゃなくて、ゼルガディスとーさん!」

「それはやめてくれ(汗)」
「わたし、次は女の子がいいですう」
「次ねえ。まあ一人だけって訳にもいかないだろうが」
「そーですよ。せめてあと四人!
女一人に男三人がべすとです!!」

「なんでそんなに数字が具体的なんだ?」
「わたしとゼルガディスさんが居るから妥協して男の子あと二人でもいいけど、
ううん、やっぱり女の子は欲しいもの。ですよね、ゼルガディスさん!」

「いや、だからどうして」
「(びし)せーぎのためです!!(きらりん)」
「・・・・・・・・」
     

       

                        

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