彼には可愛い可愛い婚約者がいました

 

 

女の私でも純粋に可愛いと思えました






そんな彼女にかなう訳無いのに…


私は彼に恋をしました・・・・・










「おっはー!跡部〜」


慎●ママ古!
「…よう。お前朝から騒がしいな

「んな事ないよー跡部もごきげんじゃん」



彼にしては珍しい笑い方・・・
誰がこんな笑い方にさせてるのかぐらいあたしにも分かるんだ…




ちゃん元気?」


さりげなく口に出してみる

「ああ。元気だ。アイツお前に会いたがってたぜ」




跡部は…


いつのまにこんなに柔らかい笑い方が出来るようになったの?


あたしには出来なかった事・・・・


悔しいとか…憎いとか…
ドロドロした感情は一切なかったって言ったら嘘になるけど…



でも…彼女なら…



ちゃん無理言ってごめんね?」




分かる気がするんだ…
跡部がこの子を好きになった訳
「気にしないで〜」
あわててそう言うと彼女は
ちゃんは優しいから自分を抑えてるんじゃないか心配だよ…」


この子はあたしの性格知ってるんだ・・・


彼女はうつむいて少し悲しそうな顔で言った
「ホントは…その…迷惑だったんじゃ…」



ちゃんはホントに優しい子だね…
「そんな事ないよー?」
だからあたしの気持ちに気付いちゃいけない




「まだ病み上がりなんだから〜変な気使わないの!」
彼女は少し驚いてふわっと笑って
「…ありがとう」とあたしに言った



彼女の家に出てあたしはやりきれなくなって走った




あたしは…あの場でずっと笑ってられるほど出来てる人間じゃないんだ



ずっとこの気持ちを心の底にしまわなきゃいけないのに…



気付いたら学校の音楽室のピアノの前に居た
ピアノの音が妙に落ち着いた
一曲引き終ってやっと気付く誰かの気配

ふりむくとそこには…



「あっ〜!忍足だ!」

「よう〜気付いてくれへんからむちゃくちゃ寂しかったわ〜」
忍足はあたしの近くに来て苦笑しながらそういった

「めずらしーね。忍足と音楽室で会うなんて」

「そやな。誰がピアノ引いてんのやろなんて思って見に来たらやったからびっくりやで」

「そっか〜ってかしゃべりかけてくれれば良かったのにー」

「……せやかて、なんや…むちゃくちゃおもいつめてた様なオーラでとったし…」






「…………」
?」






「……ごめ…あたし…」
泣かないって決めたのに…


今まで溜ってた感情が溢れ出てきた










「……・・・・・・跡部の事やんな?」


忍足の落ち着いた口調が妙に安心できた

「……うん…あた…し…好きなんだ」
ポロポロ目から雫が落ちる


「分かって…んの……ヒック」


「………」
「敵わな…って…」



おえつで上手く言葉が出ない




「けど……あきらめ……なくて…」

いつのまにかあたしは忍足の胸の中で泣いてた



「……さよか」



何も言わずに黙って胸を貸してくれた忍足に思いをよせていたらともっと楽だっ
たかもしれないなんて都合のいいことを考えたあたしはなんて哀れなんだろう




でも……







今はまだ跡部の事しか考えられないんだ…




叶わないって分かってても……










「今だけ・・・胸貸したるから・・いっぱい泣いとき?」


そう言って忍足ははただあたしに胸をかしてくれた









忍足がどうしてあたしの気持ちを知っていたのか・・・・




あたしがソレに気付くのは又後のお話






end

後書き
痛すぎるお話ですな・・・アチ琥は悲恋よりハッピーエンドのが好きです
で、も考えたり書くのは好きです。悲恋。
なんかちゃんがめちゃくちゃ嫌われそうで怖いです・・
あんまし出てきてないけど・・
これってだれの夢なのかも不明・・
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