あの人は何かに怯えていた



 



 



 



 



キレイな人に会った



少し穴戸さんに似てた気がする・・・・・・



 



 



 



 



今日だけ違った

いつも朝練が終わった後に通る道

200人以上いるテニス部

それでもソコに居たのは俺だけだった

それは俺が生レギュラーであって特別なコートに入る事が出来るから

放課後のギャラリーは女の子でいっぱいだ

そんな場所には部員以外の男は近づく訳がない



でも



そんなところで一人の男に会った



その人は憂いを秘めた表情をしていた・・

否悲しそうな瞳



 



 



とてもキレイだった・・・



 



木々がざわめく

ァァァァ



髪がサラッと頬をかすめる



その場所だけ時が止まったみたいだった・・・



 



今度は姿だけではなくて声も聞いてみたくなった



この人はどんな声でしゃべるのだろう?



この人はどんな反応をするのだろうか?



きっとキレイなんだろう・・



すごく気になってしょうがなかった

期待感とかいろいろ・・・な感情



一言声を聞けば分かる事

でもためらってしまう



 



それはその人の瞳がキレイで・・顔は悲しみや苦しみを帯びてる様に俺には見えたから・・



 



 



 



でもここで何もしなかったら一生会わないかもしれない

そんなの大げさかもしれないけど

一期一会とも言うし・・・

とにかく気になる!!

声をかえてみよう・・・!



 



「あの・・・」



俺はビックリさせない様に少し小さめの声で声をかけた



その人は無言で・・・・

俺の存在自体気付いてない



(こんなに近くにいるのに・・・・・)



もう一回

今度は少し大きめの声で声をかける



「あの!!」



その人は肩をびくつかせる

(いきなり声かけた訳じゃないし・・・この人全然気付いてないなかったのか・・?)(寂)



彼は警戒したように慌てて振り向く・・・・



 



瞳はあきらかに俺を睨んでいた



「あぁ!!すいません驚かしちゃって・・・・」

すかさず出た言葉は謝る事だった

(第一印象最悪かも・・・)



「・・・・・・・・・」

警戒を解いた訳ではない彼は無言で俺を見つめてくる

キレイな瞳が俺を直視していた



「えっと・・・・」(汗)

たぶんあの時の俺は恋に似た感情を持ってた

その人が穴戸さんに似てたからかもしれない

とにかく俺は嫌われてもいいから彼に近ずきたかったのだ

こんなのは初めてで俺も内心どうしたらいいのか・・とか

そんな事ばっか考えてた



「・・・お前は・・・・誰だ?」



思いっきり睨まれる

キレイな顔なのに目つきが鋭くて・・・・・

女の子だったらきっと即泣いて逃げてしまうだろう



俺はそこでひるまずに彼の問いに答える

何故って・・・



 



 



彼の顔が怯えてたから



 



ほっといたら可哀想だと思ったから



 



 



それは恋じゃない

同情でしかない



分かってるけど・・・・



 



「俺は鳳長太郎です。えっと・・君は?」

「・・・・・・2年の・・」

「2年生?・・・俺もだよ!!でも見かけない顔だね?」



俺は少し笑ってそういうと彼は少し警戒を解いてくれたようだった



「あぁ・・・・・転入生だからな・・」



「へーそうなのか・・・・でも何でこんなトコにいるんだ?」



 



「・・・・・・・迷った・・・//////」



 



彼は迷ってこのコートまで歩いてきたらしい・・・

顔をうつむかせて顔を赤くしていた



・・・・・・・



なんかやっぱ穴戸さんに似てる・・・・

ちょっと可愛い・・・vv



こういうタイプは虐めたくなる



(やけになってる・・v)



 



「あぁ・・そうなんだ・・・(笑)」



でも今日は止めとくよ・・・俺には穴戸さんがいるしvv(のろけ全開)



 



 



 



 



その後俺はの小さな手を持って校舎につれてってあげた



小さくて小さくて・・・・



 



 



 



その時は傷があったなんて気付かないかった・・・



 



嫌・・・



気付かなくて良かったと思う



彼にはその時間が大切な物になるから・・・



 



まだ何も知らない



無知だった俺を



神は許すだろうか?



 



 



それとも・・・・・



 



あの時



気付いていたほうが良かったのか・・・



 



いいや・・・・



 



 



 



 



 



きっとあの時顔色が悪くなったに問いても何も返って来なかっただろう



 



それにあの時の風がお互い気持ちよかった



 



 



 



 



クラスが同じにになれて単純にうれしかった



 



の暗い過去とかそんな物はまだ見えていなかったし



あるとも思わなかったんだ・・・・



その漆黒のさらさらな髪を揺らして君は笑っていた



 



 



だから・・・・・・・・

何も気付かない



そんな俺は鈍感だったかな?



 



これからの歪んだ笑顔や悲しい顔を見る事になるなんて

俺も穴戸さんも・・・

思わなかったんだ・・・・・・・・



 



 



 



後書き

鳳×主人公じゃないですよ?(汗)そろそろ跡部様とか忍足を出さなくては・・・(滝汗)