[ NOVEL ]




「出席をとります、相川、片桐・・・・・・・・」
朝のHRをはじめるべく、密は出席をとっていく。
教師になってからまだ一月。
新米教師の密にはまだまだなれない事ばかりで
気が抜けない日々である。
「月峰、都筑・・・・・・、都筑はまだ来てないのか??」
これまで順調に進んでいた作業が一気に止まってしまった。
「・・・はあ・・・・・。」
と、大きく密はため息をついた。
いつもの事だとは思っていてもついついため息が出てしまう。

都筑麻斗・・・。
そう、彼黒崎密が今一番頭をかかえている存在だ。
遅刻は当然の事、初めてあったばかりの当初も
なぜだか必要以上に絡んでくる。
成績はクラスでもダントツのビリ。
まあ、ろくに授業も受けていないのだからしょうがないのだろうけど・・・。

「・・・都筑は今日も遅刻か・・・・」
密が出席簿にチェックをしようとしたその時、
ガラッ!!
勢いよくドアを開けて入ってきたのは都筑麻斗
張本人だった!
「ぎりぎりセーフ!!あ!??密、俺んとこ今チェックしてたろ??
ちゃんと間に合ったんだからOKだよな!??」
密の眉がぴくっとなった。
”密”と呼び捨てにされた事が気に障ったのだ。
「都筑・・・。セーフじゃないぞ!??
それと、俺のことは・・・」
「ああ、!?ごめんごめん、せ・ん・せ・いvv」
にこにこと笑いながら密にそう言って席につく都筑。
「〜〜〜!??」
ばかにされた密は一人出席簿にチェックしていた・・・。

「おはようさん!しっかし、お前もあんま、先生の事
いじめんのやめ〜や。
坊、かわいそうやんか?」
隣の席の亘理が都筑に忠告した。
”坊”というのは、密のあだ名らしい(亘理のみの)
きっと、背も低く少女のような風貌でそう呼んでいるに違いない。
「そうか??別に〜、いじめてなんかないけどなあ??」
亘理の忠告も右から左へと流れてしまっている都筑に
あきれ、亘理はそれ以上言うのをやめた。

「それではこれでHRを終わります。
一時間目は・・・」
キーンコーンカーンコーン♪
言いかけて密は、とっくにHRの時間を過ぎている事に気づいた。
「あ、すいません、こんな時間まで」
「いえいえ、いいんですよ?まだこの学園にきたばかりですし。」
横を見るとすでに一時間目の担当の数学教師の巽が来ていた。
「それじゃあ、よろしくお願いします」
密はそう言って巽に言うとそそくさと教室を後にした。
走り去る密を見て都筑が机に顔を伏せる。
「俺、一限目、ねよ〜。数学嫌いだし、あいつも嫌いだ・・・」
そして、堂々と都筑は深い眠りについてしまった・・・・・。






あとがき

すごい設定でごめんなさい。
密が教師っていうのは、一度書いてみたかったので書いちゃいましたv
小説は初書きなので、つたないところも多々ありますが、
よかったら続きも読んでくださいね〜vv

さくらでした



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