二度目の...

Written by asato


もうすぐ春が来る

聖地へ来て二度目の...

あの時は女王候補として

けれど今は......

 

春がやってくる

今年迎える春はいつもと違う

そう おめーがいるから

去年とは違うおめーがいるから

 

窓から見る景色は

以前より穏やかに見える

それは私が女王候補でなくなったから

ただの恋する女の子に戻ったから

あなたに恋をしたから

 

以前だったらあまり景色なんて

見ようとも思わなかったけど

今はすげー楽しいぜ

おめーに恋してからだぜ

こんな気持ちになれたのは

 

寄り添いながら窓の景色を見つめているゼフェルとアンジェリーク

出逢った頃は守護聖と女王候補という関係だった二人

試験を通じて二人は恋をした

お互いになくてはならないほどの恋に落ちた

アンジェリークは女王になることよりゼフェルといることを望んだ

ゼフェルもまたアンジェリークを離す気持ちはなかった

そして二人は決心して女王に告げた

女王試験を降りると......

そんなこともあった1年が過ぎていこうとしている

二人は二度目の春を迎える

今度は恋人として

大切な婚約者として春を迎える

アンジェリークの指にサファイアの指輪が光っていた

ゼフェルが想いを込めて作った婚約指輪

アンジェリークはじっとそれを見つめている

そんなアンジェリークの肩をゼフェルが抱き寄せる

「アンジェ...」

「すごく幸せだなって思って...」

アンジェリークの囁いた想いにゼフェルは嬉しくなり

白い頬にそっとKissをする

「俺もだ...アンジェ」

頬を薔薇色に染めてゼフェルの胸に顔をすり寄せるアンジェリーク

二人にとって二度目の春はとても甘く暖かい春となった

 

END