(あれから一晩経ち・・・) > あ゛頭痛ぇ。 > ゼフェル様、大丈夫ですか? > おお。大丈夫だぜ・・・っておめー何でここ(ゼフェルの寝室)にいるんだ!? > 覚えて・・・ないんですか? > 覚えてて・・・いててて(叫んだため頭痛がする) > ゼフェル様・・・(心配そうに覗きこむ) > (どきっ)き、急に顔近づけるんじゃねぇ!びっくりするだろーが!(真っ赤) > えっ?あっ・・・ごめんなさい・・・。 > あ・・・そういや、昨日リュミエールとコトバだけ入れ替わってそんで・・・ルヴァの執務室行って・・・。 > ゼフェル様、そこにあったお酒全部飲んでしまわれたんですよ。 > 酒?あれってお茶じゃなかったのか?どうりで頭痛ぇはずだぜ。オレ、ルヴァの執務室で酔っ払って・・・おめー看病してくれたのか? > あっ・・・はい・・・ごめんなさい・・・勝手に・・・。私邸に入ってしまって。 > 怒ってんじゃねぇよ。おめーの看病なら・・・その、嬉しいぜ(テレテレ) > えっ・・・(赤面) > 別に構わねぇよ。おめーなら勝手にオレん家に入ったって・・・し、寝室に入ったってな(真っ赤っ赤) > あっ・・・(自分のしてることに気付いてさらに赤面)あの、何か食べますか?朝から何も召し上がってないですし・・・ > 何で逃げるんだよ?(アンジェを抱き寄せ)オレまだ酔ってるみてぇだ。もっと看病してくんねぇか? > きゃっ・・・(赤面)ゼフェル様・・・? > 真っ赤になったおめーって可愛いよな(まだ酔っているらしい) > あの・・・離してください・・・ > 何でだよ?おめーオレのこと好きじゃねぇのかよ!?(叫んで頭痛がし顔を顰める) > だって・・・まだ・・・寝てないと・・・。 > その方がいいみてぇだ・・・頭痛ぇ・・・。悪いけど薬取ってくんねぇか? > あっ、はい・・・。どうぞ(薬と水を渡す) > サンキュ。(薬を飲む)にが。ったく薬ってどうして苦いんだ? > どうして・・・でも、よく効きますよ。ルヴァ様もそう仰ってましたし。(にっこり) > そうだけどよぉ。頭痛ぇし寝るぜ(布団に潜り込む) > (クスクス)早く良くなってくださいね。 > ああ。なぁ、オレの頭の痛いのが治ったら二人だけで遊びに行こうぜ。 > はい。楽しみにしてますね(にっこり) > ・・・どこ行きてぇんだ? > えっと・・・あの・・・。 > オレのエアバイクならどこでも行けるぜ。 > ゼフェル様、「蒼白い月」ってご存知ですか? > 蒼白い月?何だそれ?蒼白い月なんて初めて聞いたぜ。 > 普通の月なんですけど・・・それが「蒼白く」見えるんです。 > ふぅん。蒼白い月か・・・おめーはその月を見てぇんだな? > はい。ずっと見てみたいって思ってて・・・。 > そんじゃ、今夜当りでも見に行くか!エアバイクで特等席で見せてやるぜ! > えっ?でも・・・大丈夫なんですか?まだ、頭痛いんじゃ・・・。 > ああ大丈夫だぜ。薬飲んだし。それに、おめーが側にいてくれるからな(///) > あっ・・・(///)じゃあ、夜までゆっくり休んでくださいね > ってことはおめー夜までここにいるってことだな? > お邪魔ですか・・・。 > そんなワケねぇだろ!ずっといていいんだぜ。夜までじゃなくて朝になってもまた夜になっても。 > ・・・嬉しいです(真っ赤) > アンジェ・・・(アンジェの手を握る) > ?! > 何だよ?そんな顔して。 > だって・・・(///)ゼフェル様? > 何だよ、テレてんのか。オレまでテレちまうだろ! > ごめんなさい・・・(俯く) > そんな顔すんなよ。テレて赤くなったおめーも可愛いんだからよ(真っ赤) > ・・・・・・(///)あの・・・ > アンジェ・・・オレ、おめーのこと・・・好きだぜ!おめーはどうなんだ?オレのことどう思ってんだ?(真剣) > ゼフェル様・・・ > アンジェ、頭痛ぇの治ったし、そろそろ「蒼白い月」っつーのを見に行こうぜ > ゼフェル様ごめんなさい・・・。 > 何だよ? > わたし・・・ゼフェル様のこと・・・。 > え?(どきっ) > まだ・・・言えないんです。ごめんなさい、ゼフェル様。 > どういう意味だよ?オレが嫌いなのか? > ごめんなさい・・・。 > フラれた!?(ガーン) > 違うんです。でも・・・。 > 分かんねぇよ! > だって・・・まだ・・・(泣き出す) > !?わ、悪い!泣かせるつもりはねぇんだよ。返事はいいから月見に行こうぜ!な、アンジェ!(アセアセ) > ・・・はい・・・(手で涙をふく)
(ゼフェルの私邸の中庭) > このエアバイクに乗ってくぜ。 > わぁ・・・これに乗せていただけるんですか? > 乗せてやる。おめーだけだかんな。 > 嬉しいです。(にっこり) > ったく。泣いたり笑ったり忙しいヤツだな > ?ゼフェル様?(きょとん) > ほら、早く乗れ。(アンジェをエアバイクの上に載せてやる) > あっ、はい。 > (ゼフェルもエアバイクに乗る)オレにしっかり捉まってろよ(///) > はい(真っ赤になりながらつかまる) > で、蒼白い月はどこに行けば見えるんだ? > えっと・・・たぶん、都会にある海なら・・・。 > 都会の海か・・・聖地にはねぇな。下界に行くか。 > でも・・・いいんですか? > いいんだよ。見つからなきゃな(にっ)んじゃ行くぜ。ちゃんとつかまってろよ! > はい。
(場所は変わって海の上) > 海に出たぜ。 > わあ・・・。 > ん?どうした? > 凄いです。昼間とは全然違う・・・。 > 夜の海ってなんか雰囲気違うよな。 > でも、とっても綺麗・・・。 > そうだな。真っ黒な海に月がぽっかり浮いて・・・。 > ゼフェル様、あれが「蒼白い月」です。 > あれが・・・真っ白でもない。ちょっと青みがかった月だな。 > はい。あれって、都会の照明でああ見えるんですよ。 > え!?太陽の光が反射して光ってんじゃねぇのか? > 都会の光に遮られて太陽の光りは届かないんです。 > そっか・・・。何かすげぇな。人工のものと自然のものが混ざってこんな綺麗なモン作っちまうなんてよ。 > でも・・・凄く寂しいです・・・。 > 淋しい? > 月って太陽の光で輝くのが一番素敵なんですよ。 > そうだよな。黄色く、時には赤くすら見える月が一番綺麗に見えるよな。 > わたし、蒼白い月・・・を見るの2回目なんです > へぇ。どこで見たんだ? > 女王試験が始まる前に。 > ・・・・・・。 > 大好きだった人達と別れる前に見たんです・・・(涙が零れる) > 大好きだった人・・・達?家族か? > 家族も友達も・・・それに。 > それに? > 大好きだったの・・・彼が・・・。 > 彼!?(ズキン) > いっつもそばにいてくれたんです。 > ・・・・・・。 > でももう逢えない・・・(泣きつづける) > 女王試験・・・おりれば会えるぜ。このままおめーん家に送ってやろうか?(淡々と) > やぁ・・・違う・・・だって、もういないもの・・・。 > もういない? > ・・・もう、いないんです・・・あの日にいなくなっちゃった・・・。 > ????そいつって・・・もしかして死・・・(それ以上聞けない) > (頷く)・・・。 > ・・・・・・(何を言ったらいいのか分からない) > ・・・今日ね・・・彼の誕生日なんです・・・だから、わたし自分の気持ち整理したくて・・・。 > おめーの元彼の誕生日だったとはな(複雑) > ごめんなさい・・・。 > きっとおめーの心ん中にはそいつがずっと居続けるんだろうな。オレはそいつに勝てねぇ。一生。 > わたし・・・誰のことも好きになりたくなかった・・・。 > (ため息)そうか(諦めムード) > だって・・・試験が終わったら・・・また・・・。 > え? > ・・・もう、いやなんです・・・あんな思いするのはいや・・・。 > アンジェ?「もうあんな思い」って・・・おめーその言い方じゃ今現在好きなやつがいるみてぇじゃねーか > ・・・いますよ、好きな人・・・大切な人・・・。 > そいつは・・・誰なんだ?(ドキドキ) > ・・・・・・(ぎゅっと抱きついて)ゼフェル様のこと・・・好きです・・・ごめんなさい・・・。 > アンジェ、オレおめーを置いて死んだりしねぇ。ぜってーおめーを一人にしねぇ! > ・・・うそです・・・それはうそです・・・。 > 何が嘘なんだよ!? > だって・・・そんな言葉欲しくない・・・。 > じゃ、そんな言葉が欲しいんだよ? > (ぎゅっと抱きついて)・・・言葉は欲しくない・・・。 > (どきっ)分かった。オレの言ったこと確認するためにもおめーはオレから離れたらダメだぜ。 > いいんですか? > いいんだよ!一生かけてオレを見張ってろよ! > ・・・はい。(にっこり) > (一生かけておめーの心ん中をオレだけのもんにしてやるぜ)アンジェ、今度は蒼白い月じゃなくてもっとあったかい月を見に行こうな! > ?あったかい月・・・ですか? > 見て哀しくなる月じゃなくて、心が暖かくなるような月だよ。 > 聖地の月が一番綺麗ですよ。(にっこり) > そうだな・・・帰ったらオレの部屋の窓から見るか。 > はい。 ゼフェルとアンジェは聖地に帰り仲良く黄色い月を見た。 そしていつまでも仲良く月を眺めた。アンジェリークは哀しい月を見ることはなくなった。
〜fin〜 |