BAKI』 板垣恵介 週間少年チャンピオン連載。秋田書店

 今、大人気の格闘マンガ(自称)。私も買っている。(もうそろそろ売ろうと思っているが…) 周りでも支持する人が多く、声を大にして言いにくくなっているのでここでいろいろ思いを吐く。

 買っている。と書いた。確かに買ってる。面白いからだが、面白いの意味が「エイケン」と同系統。

 本気であのマンガが面白いと思っている人は本気でダメ。世の中もっと質の良いマンガがある。というかそっちの方が多いぞ。

 と言うわけでアレの何がダメか吐き出したい。

    

 まず…デッサンもろくに出来ていないクセに格闘マンガをやる』

 完璧なデッサン力はいらない、しかし最低限のデッサン力は必要だ。『BAKI』にはそれがない。それは目を覆わんばかりだ。

 最低限のデッサン力とは、人物の対比、身体のバランス…これくらいは頑張ってほしい(笑) できていないから書いてるんだよ。ひでえもんだ。立ちポーズを見てごらん。立ち方も同じだし阿呆見たいな立ち方だから(笑)しかも全員ボンタン(笑)

 一応『グラップラー刃牙』も見た。その頃(前半)の方がバランスが良い(笑)今はすごいよ。一番わかり易いのはスネ。なげぇのなんのって、笑えるよ(本当)

 肉体ばかりかきたがってる。だから服のかき方もひどい。格闘を扱うならデッサンがある程度不可欠。だけど欠けてる。勇気だけは賞賛するが…

 笑えるものの代表的なものの一つとして後方からの顔。耳の後ろが見えるような角度から見ているのに、横顔のように顔が描いてある。騙し絵かと思った(笑)治るかと見守ったが気付いてないらしい(笑)無理矢理顔を描きたいんだろうなぁ… ピカソレベルになってからにしなさいと言ってあげたい。

 ある程度認められるものの一つが顔の造型。しかし、いかんせんそれに磨きがかかると浮き彫りになってくるものがある。前からだが(笑)

 それが範馬勇次郎の目。すごいです。上むけてるつもりなんだろうが、白目むいてますね(笑)瞳を描かないならまだしも、下手に描いてるもんだから白目をむいているようにしか見えない(笑)あれだけ上むいて向き合おうと思ったらレスラーの村上なみに頭を下に向けなきゃ無理。だが彼は頭を下に向けていない。と言う事は常に上空を見たいらしい(笑)

 笑えるのは他のキャラはそうでないところ。範馬勇次郎だけがおかしい。迫力を出したいのか知らんが、見るたび笑える。気付いてほしいなぁ…すぐになおせるだろうに…

  

 『パクりまくりというよりそのまんま』

 これはひどすぎる。アントニオ猪木、ジャイアント馬場に始まりいろいろな実在の人物をキャラ化している。しかもメインキャラクラス扱いでこれでその経歴とか経験なんかもそのまんまもってくる。つまりキャラを考えなくていいわけだ。

 実在の人物をモデルにするのは良くある。しかしこれは『モデルにする』のレベルではない。こういうのを『そのまんま』と言うのだ。名前、経歴、デザイン。呆れ果てた。そういうのを見て喜んでる連中は俺と同じ感覚で喜んでると思いたい。本気で喜んでたら頭がおかしい。『人のふんどしで相撲をとる』の例えがあるが、これはもはやそれ以上だ。クリエイターとして恥ずかしくないのか?まあないからやってんだろうが… そこまで同じにしといて皆噛ませ犬役。モデルとなった(そのままだが)実在の人物を、人物の経歴や実績をバカにし、全否定している。失礼極まりないのだが。わかんないか?

 ここまで読者が頭が悪い、とは思いたくないが… 気付いてないのかなぁ皆… 

 

 『なんでこんな構図なんだか…』

 無意味なスペース。無意味なドアップ。無意味な全身。無意味な見開き。とにかく意味のわからない、わかりようのない配置がほとんど。素人でも描かないような真横からの全身で向かい合っている構図とか満載で立体感もへったくれもねえ。別の意味で新鮮だが、誰もするわけないわな、こーゆー素人構図。似たもの見つけた。『ザ・サイン』と同じ感覚だ(笑)

 最近は忙しいんだろう、とにかくドアップで埋め尽くしている(笑)

 デッサンにも関係するが、人物配置が適当すぎるから背景を(アシスタントが)描くのに苦労してるよ。騙し絵みたいな背景多いもの(笑) 人物配置はかなりひどいぞ〜。手が届きそうなところから刀で斬り掛かってきたり(笑)人物を重ねて描かないから空白があきまくったり。ひどいにも程がある。

  

 『後付け大魔王』

 もう読んで字のごとく。もう話がそれるたびに長々と後付けエピソードが入る。それはもお唐突に(笑)大量のページを使って。楽してるよ。しかも結局活きない事多いし(笑)

 

 『知識の偏り』

 とにかくものを知らない。なにやら空手系を信奉しきっていることだけは読み取れる。まあ、偏りがひどい。むかつく。知らないのはまだ許せるが自分の知らないものへは全く敬意を払わず、自分の信奉するものには異常なまでに神格化する。オナニーなら他所でやってほしいものだ。

 笑ったのはガイアとシコルスキーの闘技場での戦い。砂で偽装するとあら不思議。砂煙りが舞っているわけでも地中に隠れたわけでもないのに姿が見えなくなる(笑)陳腐、ここに極まるだな。光学迷彩じゃあるまいし、偽装で見えにくく、判別しにくくなる事はあっても見えなくなるわけねーだろ。もし、知らないにしてもちょっと考えればわかりそうなもんだが、臆面もなく上記のような事をやってきているやつに言っても無駄だろうな。

 みんなは偽装で消えれると思っちゃダメだぞ(笑)

 

 『刹那的展開』

  と書くとかっこいいがなんのことはない。いきあたりばったりである。最凶死刑囚だったんじゃなかったっけ?弱すぎ。メインキャラの2・3人くらい死なないと(笑) 設定は後付け後付けだし。いつから毒手思い付いたんだかわかるぞ(笑)

 奇をてらっただけの展開ではもたないんだけど自覚もないだろうし気付くわけねぇな。

 

 『四次元ポケット標準装備』 

 上にも関連するが日本刀をジャケットの脇や背中から抜き身の状態で出してみたり、Tシャツにズボン姿だった男が背後に手を回したら鎌が出てきたり、とキャラは四次元ポケット標準装備しているようだ。みんなそう理解せよ(笑)

 

 

 とりあえず基本的にはこんなところかな。他には『女性の描写が見るに耐えない』とか『絶対死なない』とか『トーンの無駄遣い』とか『品がない』とか細かく挙げればまだまだある。なんにしても『マンガ失格』なことは間違いない。

 人は成長する。むろん『BAKI』の作者も可能だ。でもどっちかっつーと退化していっている(笑)

 踊る大捜査線とかと同じで見に行かない事が大切。つまらんものにはつまらんと言おう。買うな。見に行くな。本当に面白いと思えてるのか?よく考えてみてほしい。

 別の意味ではたいへん面白いが。

 『BAKI』は、それ、その存在自体がマンガ的だ。内容はない。あえて言うなら昭和的なマンガだな。設定やデッサンなんぞ二の次。刹那的にその場が盛り上がれば良い。そのためには五重塔を引っこ抜いて殴るのも野球で人殺しするのもギャグじゃないのにあり。前世紀の懐かしさは確かに臭うな(笑)

 もうすこしレベルアップしようよみんな、な? 読む方もよ。ますます俺の読めるマンガが少なくなっちゃうからさ(深刻)