どこでどうしていたのか、正直な所記憶が無い。

気がついたら家にいた。

カカシは・・・・いなかった。






which 〜 2.結末 〜






「おい。。」

声が聞こえた。

「何してるんだ?灯りも点けずに。」

いつの間にかチハヤが側に座っている。

かすかに射す夕日以外、部屋に光は無い。

「チハヤ・・・。」

チハヤにカカシの後をつけるように頼んだんだっけ・・・。

「そんな状態のお前に、結果を伝えるのは・・・厳しいが・・・。」

チハヤの言い方・・・・。

嫌な予感・・・。

「今日一日、カカシの後を追っていたが・・・。

 やはりあいつは女と会っていた。

 、お前に接するのと同じように・・・

 その・・・・2人はまるで・・・恋人同士みたいで・・・・。」

そこまで言って、チハヤは言葉を濁した。






何も言えない。

味わった事の無い絶望感。

目の前が暗くなる・・・ってこんな感じなんだろうか。





「・・・すまない、。」

「・・・チハヤが謝る事ないよ・・・。」





沈黙が暗い部屋を支配していく。

でも、突きつけられた現実は変わらない。





「どうするつもりなんだ?」

心配そうに、チハヤが私の顔をうかがっている。

「さぁ、どうしようね、チハヤ。」

「・・・・それは・・・お前が決める事だ。」

そう、決めるのは私自身。

他の誰でもない。







冷たいフローリングの床から立ち上がって。

チハヤに視線を送った。

「行こうか。カカシは多分・・ここに帰って来るから・・・。」

「会って話をつけるんじゃないのか?」

「いいの。今、カカシの顔見たら・・・。」

「・・・・・そうか・・・。」






寝室に置いてある箪笥から、何枚か服を取り出してカバンに詰めた。

これ以上、ここにはいたくない。

暗い部屋を後にして、私とチハヤはすっかり日の暮れた外へ出た。











「行くあてはあるのか?」

「・・・とりあえず・・・紅のとこにでも行こっか。」

暗い道を歩く。

チハヤは無言で私の後をついてくる。

紅の家まで、そう遠くはないのに・・・。

今日は、いつまでたっても辿り着かない気がした。











私の住んでいるアパートよりも綺麗な建物。

そこの1室が紅の部屋。

思い切ってドアをノックする。

少し間を置いて開いたドアから、紅が顔を出した。

「・・・・・。」

紅の顔を見たら、急に涙が止まらなくなって・・・。

「ごめんね。突然・・・・・。」

「あんた、カカシと何かあったの?!」

「・・・ちょっと・・・ね。」

「とりあえず入りなさいよ。」






紅の部屋で、私は今日あった事を全て話した。

何も言わずに紅はじっと聞いてくれた。






「・・・・、落ち着くまでここにいていいんだからね。」

「紅・・・カカシには・・・。」

「分かってる。あんたがうちにいる事は、誰にも言わない。」

「迷惑かけて、ごめんね・・・。」






それから、紅は夕食を作ってくれたけど

私には食欲なんてなかった。

、なんか食べないと・・・。」

「うん・・・でも・・。」

「ね、1つ聞いてもいい?」

「うん。」

「この猫は・・あんたの?」

猫という言葉に、チハヤの耳がピクッと反応する。

「あ・・。そうだよ・・・。私の口寄せ。」

「口寄せなんて、あんた持ってたの?」

「うん・・・・。でも、普通の任務の時は出さないんだ。」

「じゃ・・・いつ使うのよ?」

「・・・暗部の任務がある時だけ・・・。」

紅は驚いた顔をしたけど、それ以上は聞いてこなかった。

こんな状態の私に、これ以上色々と聞くのは酷だと思ったのかもしれない。





その夜、私はチハヤと一緒にリビングのソファーベッドで眠った。

いや、正確には眠ってなどいないのかもしれない。

細切れに見る夢。

度々訪れる覚醒。

夢と現実の狭間で、私が見たのは

『付き合ってよ。』と言った、

あの頃のカカシだった。

















******************
カカシ先生登場せず(汗)
読んで下さっている皆様、しばしの御辛抱を・・。




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