夕暮れ






夕暮れまでには、戻ること。
そう言っておれとナミさんは町に繰り出した。

珍しい食材に目を見張ったり、
洋服屋でのナミさんのファッションショーに見惚れたり。

思い切り笑い合って、
その、
帰り道。

海へ向かうまっすぐの道は、
光に包まれていた。


「きれい。」

思わず、もらしたような、小さな声。
立ち止まって、
少しだけ強く、手を握った。

「あァ、きれいだ」


この夕陽が沈んだら、戻ろう。
それまではこのオレンジ色の優しさをいっぱいに浴びて。

今日の日の幸せに感謝をしようじゃないか。