ねえ、いくつのスキを重ねられたら、私の心は満たされるのかな。 


スキ。






「ナミさん、大好き」

皆の目を盗んで、船室で、キッチンで、夜のデッキで。
あなたは私を抱きしめて、甘い言葉を囁くの。
その声も、腕も、瞳も、全部、スキ。

傍にいればいるほど、スキになってく。
優しいところも、料理が上手なところも、強いところも、
年上のクセにたまにすごく子供っぽくなるところも、
全部、スキ。

言葉だけじゃ足りないから、
わざと無防備にスキを作ってみせるわ。
抱擁だけじゃ足りないから、
シャツの襟を引っ張ってせがんでみせたりするわ。

「・・・ふっ・・・」
皆の目を盗んで、
愛を語らって、抱き合って、キスをして。

あなたの腕の中で感じる胸の高鳴りと、一種の安心感。
あなたがスキなんだと実感する。
皆と一緒にバカやって大声で笑ってるあなたがスキ。
二人きりになって、まっすぐに私を見つめて、
そっと唇を重ねてくれるあなたがスキ。